2021年1月21日

2021年01月21日

現代の言葉に息づく、縄文の自然との共生体験

日本人は遥か縄文時代から脈々と「縄文思考」を受け継いでいます。 日本の言語は、大和の時代の万葉集からしか紐解くことはできず、縄文時代にどのような言語が語られていたかは分かっていませんが、人類が生き残りをかけて獲得した共認・観念機能がある以上、言葉はその重要な機能として語られていたはずです。 そのルーツを探る研究はさまざま行われていますが、大陸の言語と違って、日本語は日本列島発のその土地独自の言語が誕生し、その言葉を使って、現代まで「縄文思考」を引き継いできたのではないでしょうか。

(さらに…)

投稿者 tanog : 2021年01月21日  

2021年01月21日

瑛人の「香水」がなぜ流行ったか?香りは自然に導く本能の入り口だから・・・。

昨年、瑛人の「香水」がSNSをきっかけに瞬く間にヒットしたのを知っている人は多い。殆ど名もないレコード会社を経由しないシンガーソングライターが1曲で全国に知れ渡り、今でもその曲が若者の間で口ずさまれる。image

一種の社会現象となっている。多くの人々を魅了したのはメロディーラインの美しさもあるが、香りという言葉が本能を刺激したのではとも言われている。人々の中に眠っていた本源性をすっと引き出す事に寄与したからではないか?現代人々はパソコンやスマホで目や耳は使うが、臭覚を忘れている。それをふと思い出した。

作者自身も気が付いていないだろうが、今の時代、最も求められているのは古いけど新しいもの、身近だけど普段使っていない感覚、そんなものが提供されるとふと立ち止まり、今の感覚な何だろうと刺激を与える。
日本には古くから香りの文化を持っている。その始まりは550年頃仏教の伝来とともに香道として定着し、その後江戸時代に一般大衆に広がっていった。今日は香りの持つ力とは何かを少し考えてみたいと思う。

https://www.premium-j.jp/japanesesenses/20200225_8413/より志野流香道の記事から抜粋して紹介します。内容と共に非常に美しい文章です。

香道は自然の摂理へ同化する一手段かもしれません。五感の中で臭気というのは動物で言う触覚機能に近く、そういう意味で危機を察知し、また対象を捉える力を持っている。そして脳の”ある本能部分”に繋がっている基本機能なのだと思います。

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「香道は美の集大成」と語る志野流香道若宗匠、蜂谷宗苾(はちやそうひつ)が心を鎮めて聞香(もんこう)を行う。

香木の香りを志野流では、伽羅を含めた六国<他に羅国(らこく)・真那賀(まなか)・真南蛮(まなばん)・佐曽羅(さそら)・寸門陀羅(すもんだら)>と五味<甘・苦・辛・酸・鹹(かん・く・しん・さん・かん)>に分類しており、入門後、初伝で家元から直接その秘事を伝授される。香りの複雑さを感じると、心が落ち着くのがわかる。

香道の世界には、聞香会と呼ばれる香木の香りを鑑賞するための会がある。ある日の聞香会を訪ねると、名香席の他に点心席や茶席、香道具の展観席もあって、室町時代に大成された東山文化を実際に体験しながら1日を過ごすことができる、優雅な催しになっていた。

(中略)

香木は木が傷口を治そうとしてできた、ある意味”治癒力”の塊であり、いくつもの条件が重なって偶然にできる、人間の力の及ばない世界のものだ希少な香木への尊敬の念が、ひとつひとつの丁寧な作法に込められている。香炉が次々に回り、座敷には香りが満ちていく。それと共に、座敷は落ち着いた空間に変わっていった。

香には十の徳があると言われている。それは、(一)感覚を研ぎ澄ます、(二)心身を清浄にする、(三)汚れを取り除く、(四)眠気を覚ます、(五)孤独感を癒す、(六)多忙時でも心を和ます、(七)たくさんあっても邪魔にならない、(八)少量でも芳香を放つ、(九)何百年を経ても朽ちはてない、(十)常用しても害がないというものだ。

宗苾若宗匠は言う。

香を聞くことは、香木や自然界と一つになること。お手前の最中、他ごとを考えたり、心が乱れていると当然ながら自然界と会話はできません。もっと言えば、彼らにわたしたち人間の考えてることはすべて見抜かれています。一方で、その昔、その香木を実際に所持していた人物、例えば信長や家康、歴代の天皇とも香りを通して会話ができます。時代を超えて先人たちと一つになれる瞬間、香席には何とも言いようのない緊張感が漂います」。

「例えば親の子に対する愛情は形として見えませんが、確かに存在するものです。電磁波も目に見えませんが、ついに5Gの時代が到来し、私たちの生活は更に急速に変化していきます。香りに含まれるメッセージもそれと同様で、見えないけれど存在しており、実は木々も互いの思いを香りで届け会話をしています。自然界が、この世に生きる私たちにどんな言葉を掛けようとしているのか。電磁波からではなく、地球が発する声から聞き取らなければいけない時が来ているのではないでしょうか」。

見えないものを見せる――香ができることは思っていた以上に大きい。

若宗匠は言う。「香りには天と人をつなげる役目があります。古くは天皇の即位式には必ずお香をたいたといいますし、仏教やキリスト教など宗教から日常生活にまで香りはつきものですよね。私は普段から香りを通して自然界と会話をしています。心静かに香木と向き合い、その香りに身を委ねることにより、生きてることを実感し、命の大切さ、有り難みを教えてくれます。香りによってはそれこそ天にも昇る心地にさせてくれるものもあれば、何故だか涙が溢れてくるものもあります。浅はかな“人”の精神では、到底到達することができない自然の叡智に少しでも近づけるよう今日も稽古に励みます。心乱れた状態で手前をするといい香りは漂ってきません。香を聞くということは、自己を知ることでもあります」。

「香道は日本の美・芸術文化の集大成」と若宗匠が言うように、金融や物質主義から、これからの時代は美や心、魂のような形のないものこそが、本当の意味で大事なんだと、自ら気付いていくことが求められるのではないだろうか。

投稿者 tanog : 2021年01月21日