2020年3月19日

2020年03月19日

知っておきたい感染症との闘いの歴史~次のパンデミックを防ぐために

ペスト、天然痘、結核、コレラ――人類が歩んできた失敗と成功の長い道のりがあります。公衆衛生対策は発展してきましたが、現在は気候変動や動物とヒトとの交流の増加などの要因が、感染症の蔓延に拍車を掛けています。

感染症は避けられません。ただし、それがパンデミック(世界的流行)となり、国境や大陸さえ越えて制御不能なレベルにまで広がるかどうかは、対応の仕方に左右されます

パンデミック化を後押しするのは、高速の移動ネットワークの存在と高い人口密度です。どちらも昔は珍しい条件でしたが、今では地球上どこにでも存在します。

いつの時代にも新たに登場する感染症の最大の特徴は、不確実であることです。どれだけ広がるかは専門家にも分かりませんし、感染力や致死率は、地域の人口構成や感染症への対応策、感染者が受けられる医療の質などによって、いくらでも変わります。

新型コロナウイルスへの今後の対策を考える上で、歴史に刻まれている感染症への対応を振り返ることには意味があるでしょう。過去の例を検証すれば、新型コロナウイルスへの対応策が賢明かどうかを判断するヒントになり得るからです。

感染症の発生は、動物からヒトに伝染する「人獣共通感染症」によって引き起こされます。種の壁を越えて病気が伝染するのは、相当の対人接触を経た末のことです。

歴史を振り返っても、その過程にはかなりの時間がかかっています。例えばマラリアが非ヒト霊長類からヒトに感染するまでには、数千年の年月が過ぎていました。

しかし過去50年に限っても、300以上の病原体が新たに出現(または再出現)しています。それに加えて、気候変動や砂漠化、動物とヒトとの交流の増加、不十分な医療制度といった要因が感染症の蔓延に拍車を掛けているのです。

(さらに…)

投稿者 tanog : 2020年03月19日  



 
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