2014年7月27日
2014年07月27日
ロシアの歴史に“民族の本源性”を探る~プロローグ
欧米発の近代思想が世界に浸透し、現在の市場経済(グローバル経済)が世界標準であるかのように思っている人も多いでしょう。
しかしロシアでは、プーチン大統領が、国内のユダヤ金融勢力を駆逐し、エネルギーのドル建て決済から離脱、アジア各国との関係を重視するなど、脱グローバルの動きが静かに、しかし確実に起こっています。
考えてみれば、近代思想の出所は世界の片隅のヨーロッパ、その一部のオランダ、イギリス、スペイン、そしてフランスのあたりからです。キリスト教国家が世界の版図を広げてきましたが、わずか数百年で世界の民族の歴史や文化を根こそぎ塗り替えることなどできるはずはありません。
昨今の現象は、列強諸国の植民地政策とともに広まった近代思想が、表層的には価値観念でしかなく、世界各地の古くからある民族性や本源性が、近代市場の行き詰まりとともに復活してきたと捉えることもできそうです。そして、ロシアはその象徴的存在なのではないでしょうか。
ロシアは(ソ連時代を含め)拡大の野心に満ちた得体の知れない国、というイメージがつきまといます。しかし、ソ連崩壊後の経済危機に際しても暴動を起こすことなく、食糧の自給体制で乗り切った共同体性は特筆すべきでしょう。またロシア正教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、そして少数民族のシャーマニズムなど、多数の宗教を包摂しながらその根底に精霊信仰を失わないロシア社会には、古代からの民族意識を濃厚に留めている可能性を感じます
それでは、ロシアの大衆意識を辿りながら、その本源性と可能性を探ってみたいと思います。
(さらに…)
投稿者 tanog : 2014年07月27日 Tweet