2020年5月28日
2020年05月28日
日本でなぜ感染爆発しなかったのか~世界が注目する日本、日本人、そして縄文的自然観
5月25日に改正新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除された。
4月7日に発令されて1カ月半、印象としてはかなり長い期間だったが、この1カ月半で世界は大きく変わったとも言えるし、あまり変わっていないとも言える。私のようにいつも通り仕事をしていた人は反って仕事しやすかった、町が静かで動きやすかったなど良い面もあった。しかし確実に変わったのはこの5月に入って報道される、世界中で高まる日本の評価だ。私たち日本人は普通に生活し、普通に生きている事が海外から見れば軌跡とかジャパンミラクルとか言われる。
阪神大震災や東日本震災でも評価されたが、有事の時の日本人の行動は実に美しい。これが縄文体質を持つ日本人のDNAなのだ。今回は特集としてネットで掲載された3つのニュースコメントを紹介したい。坂本龍一のYAHOOニュース⇒産経抄⇒飯田浩司のOK! Cozy upの順番で紹介します。
「そもそもなぜ日本で感染爆発しないのか、死亡者数が少ないのか。これはぼくに限らず世界中が不思議に思っていることです。日本に限らず韓国や武漢を除く中国など、アジア圏は総じて欧米にくらべると感染者、死亡者が少ない」 その理由を考えて、これはよく報道されているアジアと欧米の食生活、生活習慣のちがいはもちろんあるだろうと思ったそうだ。 「たとえば欧米人に多い糖尿病や肥満、肉食による心臓病といった生活習慣病がアジアでは比較的少ない。新型コロナウィルスは血管を攻撃するので、心臓病や高血圧など血管に関わる病気があると重症化して死に至るケースが多くなりますよね。これはわかる」
そしてもうひとつ気がついた。 「日本にいるときにニュースで見たんですけど、町のふつうのおばちゃんが“コロナ? 人間が調子に乗ったバチでしょ。自然が怒っているのよ”って、さらっと言っていたんです。こういうアミニズム的な発想、自然と人間の関係の捉え方というのは、なかなか欧米人からは出てこない。
日本人だと21世紀のいまでもそれがさらっと出てきて、聞くほうも自然に納得してる。これは世界的には非常に特殊なことでしょう。何千年も前から続くアジア的な自然観ですよね。自然に対してやりすぎた報いなんだから自制しようとか、謙虚に暮らしや考え方を見直そうとなる」 こうした日本をふくむアジアの自然観が、感染拡大の中、なんらかの作用を及ぼしているのかもしれないという考察だ。
ただし、感染者や医療従事者に対するいわれなき差別が世界的に拡がる中、日本でも同じような事象があることには本当に腹を立てている。 「感染者や、日々最前線で闘っている医療従事者への差別や攻撃をするなんて最低ですよ。そんな差別主義者は土星にでも移住すればいいと思いつつ、でもこちらが排外主義者になってはいけないので、そういう考え方はよくないと社会全体で根気よく言っていくしかないですね」
「日本の奇妙な成功 生半可なコロナウイルス対策が何であれ功を奏している」。米外交誌フォーリン・ポリシー(FP)電子版は14日、この見出しの論評を掲載した。論評は書き出しから刺激的だ。「コロナウイルスとの闘いで、日本はすべて間違ったことをしてきたように思えた。ウイルス検査を受けたのは人口の0・185%にすぎず、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の取り方も中途半端だ。国民の大多数も政府の対応に批判的である。しかし、死亡率は世界最低(水準)で、医療崩壊も起こさずに感染者数は減少している。不可解だが、すべてが正しい方向に進んでいるように見えてしまう」
FPが日本の「成功」の論拠としているのは死者の少なさだ。感染者数は、検査数が少ないのであてにならないが、死者数は確かな「指標」になるというわけである。14日時点での人口100万人当たりの死者数は、日本が5人、米国が258人、スペインが584人、欧州での防疫の成功例として挙げられているドイツですら94人に上ると指摘。日本の少なさは「ほとんど奇跡的」と評した。
日本の死者が少ない理由としてFPは、他人を思いやる気持ちが強い文化▽握手をしない風土▽衛生意識の高さ-などを挙げたが、これだけでは「数的に説明がつかない」と分析。「単なる幸運なのか、政策が良いからなのか、見極めるのは難しい」とやや皮肉交じりに結論付けた。
医療従事者の献身的奉仕が「奇跡」の一端を支えているのは明白であるが、一方で、日本人も気づいていない隠れた理由があるのかもしれない。最近、日本、韓国、インドなど結核予防ワクチン、BCGの接種義務がある国の死亡率が、接種習慣のない欧米諸国と比べて際立って低いことが注目されているが、因果関係は不明だ。
記事では「新型コロナの流行で最も驚くべき特徴は、東アジアと欧米の間には大きな差があることだろう」とし、感染者数や死者数を比べれば「東アジアはウイルス管理において欧米より優れた結果を収めていることは明らかだ」と分析した。
東アジア地域の特性について記事は「簡単に言えば、東アジア人は個人主義的な欧米人よりもルールに敏感であるという傾向がある。抗議文化で知られる韓国でも暴力はまれだ」と指摘した。香港でも昨年の「逃亡犯条例」改正案に端を発した抗議活動で、整然としたデモの様子がたびたび報じられた。日本については「世界屈指の高齢者人口を抱えながら死亡率が低いことは特筆に値する」と評した。イタリアの死亡率は日本の「約45倍」と指摘し、高齢者が介護施設ではなく在宅で生活している割合は両国ともほぼ同じという調査結果も紹介した。「日本は検査数が少ないことで広く批判されてきた。だが、世界で最もリスクの高い(高齢者)人口を抱え、高度な医療システムを持つ日本は、新型コロナの最も致命的な症状の一つである肺炎の治療法を開拓してきた」と分析した。
さらに「日本のロックダウン(都市封鎖)は軽度」だが、「大規模な集会の禁止、マスク着用、手の消毒などの指示が広く守られている」とし、韓国とともに社会的な規範意識の高さを称賛した。
世界と比べて日本での死者数は極端に少ない~「日本の奇跡に学べ」
青山)大事なことの1つは病気ですから、その過程でどんなに苦しんでも、命を保つことができれば克服できるのです。どれくらいの方が亡くなるかということがいちばん重大なことです。客観的な数字として人口100万人当たりで考えると、私は信念を持って武漢熱と呼んでいますが、日本では武漢熱で亡くなった方は、イギリスの100分の1です。アメリカと比べても50分の1以下です。それを考えると、いままでの国民の努力は政府の要請と合致して、経済でも大変な苦しみがいま起きていますが、対応としては、実は成功しているのです。海外の方からは、今回の日本の対応について「ジャパンミラクル」と言われるのです。
飯田)ジャパンミラクル。
青山)WHOの首脳陣は、テドロス事務局長を含めて中国支配だと私は以前から批判しているのですが、現場には非常に優れた方々がいらっしゃいます。日本の方もいらっしゃるのですが、そういう人たちの共通の言葉も「日本の奇跡に学べ」です。まもなくこの異常事態からは卒業して行きますから、国民の方は自信を持たれて、最後の踏ん張りとして、いままでのペースを守っていただきたいと思います。
私のところにも不安の声がたくさん届くのですが、その不安は痛みと同じで、なければ滅ぶものです。痛みがないと、怪我や病気に気がつきません。不安があってこそ対応策を考えるので、不安そのものにこだわらず、不安があることは自然だと考えていただきたい。今回、39県で緊急事態が解除されて、残るは東京を含めた8都道府県です。段階は上がっているということを、みんなで確かめて、連帯すべきを連帯したいと思います。
投稿者 tanog : 2020年05月28日 Tweet