2019年11月14日

2019年11月14日

ラグビー、平尾の残した「闘争」~潜在思念が生み出す言葉の力

ラグビーワールドカップが先日終わりました。スポーツの素晴らしさ以外に私たちはこの競技から何かを感じていたのではないでしょうか?
日本人の可能性であり、チームワークであり、言葉の力であり、それから導かれた(外国人混成の)日本人の闘争力ではなかったでしょうか?
故平尾誠二は今回の日本ワールドカップを導き日本ラグビーを育てた逸材です。今、書店の店頭で平尾のリーダー論が売れています。リーダーとしてのハウツーも然ることながら、非常にわかりやすく闘争の心得が書かれている。
今回は彼の残した言葉から言葉の力、言葉の可能性、言葉と闘争力の関係を見ていきたいと思います。リンクより引用させていただきました。

平尾氏の闘争の為の言葉群~

m162.gifチームで勝つ、これが最高に難しく面白い。ラグビーに限らず私たちの日常の仕事場面でもたくさん使える言葉があります。

m162.gif ダメだったら次の機会に試す。でもまたダメだったらまた次に試す。そして達成できたら、それは自分の実力になっているという事なんです。

 m162.gifスポーツに自己犠牲などありえないと思う。自己を生かすことがチームを生かすことなんだ。

 m162.gif時間って命の一部なんですよ。今の時間を大事にできない人は、未来の時間もきっと大事にはできない。

 m162.gif問題は弱みがあること自体ではない。自信のなさや不安から、他人との間に無意識に壁を作ってしまうことにある。

 m162.gif人間は、本当に上手になりたいと思ったときにこそ、学習能力を発揮するんです。

 m162.gifすべての準備は試合前に終えておかなければならない。

 m162.gif決め事は少なくても、本質的な幹がしっかりしていれば、枝葉は自由に変えられる。周囲の状況が変わったら、すぐに対応できるチームワーク。それが本当の強さ。

★★平尾氏の真骨頂はコーチングですが、彼は言葉の力を何よりも活かし、工夫し、考えている。世のリーダー達は須らく言葉を磨いている。序列原理が崩れ、共認原理で社会や集団が統合される現在ほど言葉の力が必要な時代はない。平尾氏がいかに多面的に言葉を考え使っているか、「言葉とは闘争そのものである。」以下の言葉群はそれを示しています。

m162.gif 映像は何かをわかりやすく伝えるツールとしてはいいですが、それで人のやる気を高めるのは難しい。ラグビーの試合前に映像を観て気合を入れる、なんて話は聞いたことがありません。そのとき、選手を奮い立たせることができるのは、リーダーの言葉しかないのです。

m162.gif 怒るにしても褒めるにしても、それがどれだけ効果をあげるかを決めるのは、そこで発せられたリーダーの言葉です。リーダーの一言で、気合が入ったり、やる気が高まったりすることってありますよね。言葉にはそういう力があるのです。

m162.gif とにかく相手の話をよく聞くことが重要です。目の前の人が自分の話を真剣に聞いてくれていると思ったら、安心して本音が話しやすくなるじゃないですか。

m162.gif 10人を前に話すとき、リーダーにとっては1体10ですが、部下はそれぞれ1対1だと思って聞いています。だから私は、これはとくにあいつに聞いてほしいという部分が来ると、その人間の顔を見ます。そうすると、いま自分だけに話しかけてくれているという気持ちになって、真剣に聞こうという気持ちになるのです。

m162.gif部下に話を伝えるのが下手なリーダーは、ほとんどの場合リーダー側の受信機が問題です。そこをみんな間違えるんです。何かを伝えようと思ったら、まず相手の一挙手一投足に注意を払い、いまどんな精神状態にあるのか、性格はどんなタイプなのかといったことを見極める。話すのが苦手という人は、説得力より洞察力の方に磨きをかけるべきなのです。

m162.gif局面を見極めなければ次はない。次もまた局面を見極めて勝って、また次へ行く。その戦いの繰り返しでしか前に進めないんです。仕事でもそうでしょう。局面の見極めを誤って、一度「まあいいか」と妥協してしまったら、次もまた「いいか」と妥協することになる。妥協は借金取りに追われているかのように連鎖するんですよ。「今度こそ返すから」ってずっと言い続けることになる。それでは、負け続けるだけ。勝負どころを見極めて、その一瞬に全力を注がないとダメなんです。

m162.gif普段から部下のことをよく観察しておくことが大事です。それによって、同じ「大丈夫です」という返事を聞いても、声の感じから、「本音は不安なんだな」とか、「今日は自信がありそうだな」というようなことまで察することができるようになります。そうして、相手の気持ちや何を考えているのかを掴んだうえで、それに応じた話し方をすると、伝わりやすさは段違いに高まります。

m162.gifどんなに正しいことを言っても、それを相手が実践しようと思わなければ意味がありません。相手がやる気になって初めて、自分の言いたいことが伝わったことになるのです。ですからリーダーは、何を話すかだけでなく、どう話せばもっと部下が関心を示してくれるか、どうすればより伝わるかを考え、表現の仕方を工夫することが必要です。

m162.gif話が伝わらないのは自分の話に説得力が足りないからだと考えてしまう。でも、いまのように個々の価値観も違えば、理解力にも差がある時代に、誰に対しても説得力のある話し方があるのなら、私が教えて欲しいくらいです。

m162.gif どんな優秀なリーダーでも、持っているネタには限りがあります。なのに、部下に毎日のように話をしていたら、すぐネタが尽きて飽きられてしまいます。すると、肝心な時に相手が興味を持つ新鮮な言葉が見つからない、ということにもなりかねません。ですから、少なくともとっておきのネタは、いざというときに温存しておくんです。

m162.gif 私は、リーダーが怒るということは、あまりいいことだとは思いません。よく、「うちのチームは、俺が怒るからいいプレーができるんだ」という指導者がいますが、だから怒った方がいいというのは理屈に合わないでしょう。怒られたからできたというのは、もともとそれができるだけの力があったのです。だから、この場合は、怒られるまで力を出さない個人やチームにこそ問題があると考えなければいけません。

言葉は人類が生み出したサルにはない新機能=観念だが、深く潜在思念と繋がっている。平尾の言葉は深いのはラグビーという肉体と頭脳を限界まで使うスポーツだからかもしれないが、こと闘争という場面では潜在思念から立ち上がる言葉の力はスポーツに関係なく必要な場面がある。

投稿者 tanog : 2019年11月14日  



 
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