2022年5月11日

2022年05月11日

人類の知能進化は何時から?←200万年前(ホモ・エレクトス)の「前」から

皆さん、こんにちは。

森林から離れ、洞窟に隠れ住んで生き延びた人類。生き延びるためには、知能真価が不可欠。今回は、人類が何時頃どのように知能進化したのか、今回追求してみます。

体毛が薄くなることで脳が進化!?

大型類人猿と人類の大きな違いは、直立二足歩行(足の親指が変化して樹に登れない)と体毛の薄いこと。特に体毛は、頭部、眉毛、腋毛、陰毛以外はほとんどなくなり、皮膚の細胞組織も大きく違うことが分かっています。

人類が大型類人猿の共通祖先から分岐し、森林から離れざるを得なくなった時、大型肉食獣から身を守れる縦穴を介した洞窟に隠れ住むようになったと考えられます。人類の皮膚構造が、体毛がないだけでなく汗腺が類人猿より多いことから、体温調整が類人猿より重要だったことと多湿の洞窟暮らしは符合するかもしれません。

「皮膚の形態をヒトと他の霊長類の間で比較し、ヒトでは表皮と真皮が他の霊長類と比べて厚いこと、およびヒトでは表皮と真皮を結合する表皮基底膜が波型で、他の霊長類では平坦であることを明らかにしました。波型の表皮基底膜は平坦型に比べて面積が増大します。」
2019.03.07 プレスリリース 類人猿からヒトへの進化過程における遺伝子発現の変化が、強く、しなやかでハリがあり、弾性に富むヒトの皮膚の創出に関与することを示した

類人猿とは皮膚の構造が明らかに異なり、単に毛が無いというだけでなく、毛が無くても紫外線などに対応できる皮膚構造へ変異しているそうです。体毛が無くなったのは、「突然変異」ではなく緩やかな行動による変化と言えるかもしれません。

体毛のない皮膚からは、様々な感覚刺激が得られます。これを感知するのは脳なので、体毛が無いことで爆発的に増えた肌感覚(触感だけでなく温度や湿度、光や気流など)が脳を進化させたと考えることは自然です。むしろ、食料を得ることも難しく、いつ何が起きるかわからない洞窟暮らしの古人類は、身を寄せ合って暮らしていたことは容易に想像できます。肌をすり合わせることで、体毛が少なくなっていく方向に変異した、更に肌感覚を研ぎ澄ますことで脳進化も加速した、結果、洞窟でも何とか生き延びることができた、と考えられます。

 

体毛縮小は何時から?

次は、人類のどのあたりで体毛縮小や知能進化が起きたか、考えてみます。

体毛の残る皮膚の化石は、猿人や原人で発見されていないのでどの段階で体毛が縮小したかは不明です。一方シラミについて研究し、人類の体毛が縮小したのは、約330万年前とする研究成果があります。

「ゴリラのケジラミと人間のケジラミが分かれたのは、約330万年前だったことがわかったそうです(*1、米国、フロリダ大学自然史博物館の研究者らによる論文)。ケジラミというのは、人間の陰毛に寄生して皮膚から血を吸う昆虫です。ごくまれに陰毛以外でも見つかりますが、ほとんどが陰毛に住んでいます。つまり、ケジラミは、セックスで感染することが多い。寄生されるとものすごくかゆく、最も忌み嫌われている虫の一つでしょう。陰毛に住んでいるということは、ほかの類人猿と同様、人間の全身が毛におおわれていたころから一緒にいるシラミということになる。ゴリラのケジラミと人間のケジラミが分かれたころ、人間の体毛が薄くなり、体毛に棲息していたケジラミが陰毛だけに残るようになった、とも考えられます。」

シラミでわかる体毛の秘密

約330万年前は、アウストラロピテクス属の時代で、ヒト(ホモ)属より前の時代です。脳容量はまだ小さく、はっきり言えばサル(類人猿)と大差ありません。古人類の脳容量は、ホモ属(ホモ・エレクトスがおよそ200万年前)で大きくなります。ホモ・エレクトスの直前に体毛が無くなり、その結果脳が進化したと言えそうです。

投稿者 sai-yu : 2022年05月11日  



 
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