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ネアンデルタール人とホモサピエンス、デニソワ人はホモエレクトスから分岐した可能性が高い?

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■ネアンデルタール人とホモサピエンス

 ネアンデルタール人は約40万年前に出現し、約4万年前に絶滅したと考えられている化石人類、ホモサピエンスは30万年ほど前に誕生した新人と言われています。

様々な研究がありますが遺跡の出土した地域と骨の違いによって判別されています。両者に共通点と違いは何かを整理しました。

 

 

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表作成参考:リンク [3]、リンク [4]

 

ちなみに、通説では私達の祖先はホモ・サピエンスと言われ、ネアンデルタール人は絶滅したと言われています。

絶滅した理由はまだ明らかになっていませんが以下の3つが仮説として挙げられています。(リンク [5])

 

【1】氷河期の気候変動の影響で絶滅した(カタストロフ説)

【2】伝染病蔓延(カタストロフ説)

【3】ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を追いやった

 

絶滅の理由についてはまた次の機会に深堀りしてみたいと思います。

 

■ホモ・サピエンスもユーラシアで誕生した?

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現在知られている限り最古の化石がアフリカ北西部のモロッコから出土し、さまざまな遺伝子データにもとづく分析も、ホモ・サピエンスの直接の先祖が、アフリカを源に発しているという仮説が有力視されています。(アフリカ単独起源説)

 

ただしアフリカ単独起源説では辻褄が合わない事象もあります。

 

“ホモ・サピエンスと近縁の別の種や亜種の化石記録は、この「アフリカ単独起源説」がなかなか一筋縄ではいかない可能性を示している。最古のホモ・サピエンスが登場した時、たくさんのホモ属の集団が、ユーラシア大陸の各地にすでに進出していたからだ。

 

 例えば、北京原人やジャワ原人はどちらもホモ・エレクトスという別の種に属すが、その出現年代はなんと約70万年以上前だった。ということは、いわゆる「原人」と呼ばれる種のいくつかは、アジア南東部を占めるかなり広範囲まで進出していたことを示している。(リンク [7])“

 

デイヴィッド・ライク氏は現代人のDNAから解析した調査から以下のように考察しています。

 

“非アフリカ系(ユーラシア系)はゲノムの1.5~2.1%ほどがネアンデルタール人に由来するが、東アジア系(私たち)の割合はヨーロッパ系より若干高いことが明らかになったのだ。

(※サピエンスは「アフリカ系統」と「ユーラシア系統」の大きく2つの系統に分かれる。ユーラシア系統は5万年ほど前にアフリカを出て世界じゅうに広がっていき、アフリカ系統はそのまま元の大陸に残った。)

 

分類学では、子をつくらなくなった時点で別の「種」になったとみなす。ということは、サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人は「同種」ということだ。ネアンデルタール人とデニソワ人は同じユーラシアに住み、47万~38万年前に分岐したとされるから「同種」なのもわかるが、それより前の77万~55万年前に分岐し、地理的に隔絶したアフリカ大陸で(最長)70万年も独自の進化をとげてきたはずのサピエンスがとつぜんユーラシアに現われ、彼らと交雑できるのだろうか。(https://diamond.jp/articles/-/182802 [8])“

 

ネアンデルタール人とホモサピエンスは多くの共通点が存在していること、また交雑をしていることからアジア南東部の広範囲を占めていたネアンデルタール人とホモサピエンス、デニソワ人は共通のホモ・エレクトスから分岐したのではないか。

 

と考えられます。

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