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縄文再考:土偶に生命の精霊を宿し祈る~万物との一体化と土偶への一体視で恩恵を得る~

土偶 [1]

皆さんこんにちは。

今回は、縄文再考「④土器、土偶の意味するものは?」の土偶について扱っていきます。

 

皆さんは土偶と聞いてどういうイメージ持ちますか?

私は、土偶は子孫繁栄を願ったものだと考えていました。というもの、私の認知していた土偶は胸があり、おなかが大きいため、妊婦を象ったように見えたからです。

ところが色々調べていく中で、土偶が子孫繁栄の祈りのためだけではないことが分かってきました。

 

〇縄文人は万物と自身(家族)を一体視し、祈りを込めた呪物として扱っていた。

縄文人の祈りは「豊穣・多産」が多いとされています。

縄文時代は現代と比べ寿命が短く、また季節によっては食糧確保が難しく、かなり厳しい生活をしていました。そんな自然外圧の中で否定視しても仕方ない。だから祈り、待つ。そうやって家族と過ごし、集落の存続のために働くことが使命だったのだと考えられます。

祈ることも仕事のうちで、大事な所作なのです。

 

では、どのように祈りを捧げていたのか?

 

①豊穣・平安

縄文時代は暖かくなり、豊かになっていった時代とされていますが、それでも寒冷です。冬になれば食糧の確保が困難になり、生活は貧しい状態になります。

 

女体を模したとされる土偶は、子孫繁栄を祈ったものとこれまで専門家の研究で言われてきましたが、木の実などの堅実食の豊穣を祈ったものではないかという説もあります。

※ちなみに、火焔型土器も豊穣を祈ったものという説があります。火焔型土器が出土した位置を日本地図にプロットすると、豪雪地域周辺に集中しており、「春に開芽して」という祈りからという説もあります。

自身のためというより、家族のためにという想いが強いことが分かります。

 

②子孫繁栄・多産

竪穴式住居で暮らしていると、水が溜まり、蛙、それを餌として蛇が多く集まってきたようです。蛙、蛇ともに一度に多くの卵を産みますよね。この生命力旺盛な生物を畏怖して肖りたいという想いで、土偶に蛙・蛇の精霊を宿し、多産を祈りました。

また、南アルプス市に「故郷伝承館」に展示している、胴体が中空の土偶で体の中央に「出産線」が在る子宝女神ラビと愛称されている土偶。これは経産婦のお腹には子午線が残り、それを生命の不可思議とし尊いと感じ、生命に対する畏怖を素直に表現しています。

 

〇中間総論

縄文人は自然外圧の高さから、万物を注視・一体化し、土偶を自身(家族)と一体視。そして、土偶に生命の精霊を宿し変態させ、祈りを捧げていました。生命が持つ生態から肖い、精霊を土偶に宿すことで、自身(家族)にも恩恵が及ぶとものとして捉えていたことはほぼ確か。

この一体化、一体視の思考と、感謝の念で祈ることが重要な仕事であったのです。土偶は集団を支える重要な像だったと言えます。