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謎だらけの人類「フローレス原人」とは?

人類史を追求しています。その中でフローレス原人は謎が多い

サル(おそらくオランウータン)から進化したとされる人類の身長は原人の段階でも1m50cm、サルから進化した後、フローレス原人はむしろ小型化している。ありえるのだろうか?あるいは別の小さなサルから進化した可能性もある。そうなると人類はオランウータンだけでなくテナガザルからも進化した。チンパンジーやゴリラやボノボなどからも進化した可能性すらある。そう考えるのがむしろ普通だろう。何らかの一斉的な環境外圧によって類人猿が一斉に人類的な種に進化した可能性。

また脳容量もチンパンジーとほとんど変わらない430CC(チンパンジーが380Cc)、なおかつ100万年の間そのまま。ただ、フローレス原人は早くから石器を扱っており、海洋を渡っており、高度な航海術も持っていたのではないかと言われている。人類の適正サイズはいくらか、脳容量と人類の関係などフローレス原人を人類の亜流で扱うにあたらずとできない何かがある。そしてこの原人はネアンデルタール人よりさらに最近まで生存していた。
今回は人類学者 海部陽介氏の語りや関連記事からいくつか転載してみたので考えるきっかけとしたい。

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フローレス原人(ホモ・フロレシエンシス)は、2003年にインドネシアのフローレス島にあるリアンブア洞窟で化石が発見された小型の人類。身長は1メートル余り、体重約35キロで、J・R・R・トールキンの有名な小説の小さなヒーローにちなんで「ホビット」の愛称で呼ばれている。当初の研究で、フローレス原人はつい1万2000年前まで生きていたと推定されていた。本当にこの頃まで生きていたのなら、ネアンデルタール人より新しい時代まで生きていたことになり、現生人類とも共存していた可能性がある リンク [1]

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インドネシアのフローレス島で新たに発見された石器から、“ホビット”の進化の歴史は従来の説より20万年も長い100万年だったとする最新の研究が発表された。 ホビットの謎が注目されるきっかけとなったのは、2004年にフローレス島で発見されたメスの原人の骨で、身長1メートル、体重25キロ、グレープフルーツほどの大きさの脳を持っていた。
架空のこびと族“ホビット”に似たこの小さな生物は、現生の人類と同種か新種かの論争が続く中で、ヒト属の新種としてホモ・フローレシエンシスと命名された。この原人は現生の人類が世界中に広がり始めていた約1万8000年前までこの孤島に生存していたという。
オーストラリアのウーロンゴン大学の考古学者で研究を共同で率いたアダム・ブルム氏は電子メールでの取材に対し、100万年前の火山性堆積物から今回新しく発見された石器は「先端の鋭い素朴な剥片石器」だと説明する。同じフローレス島の近隣の遺跡からも同様の石器が見つかっており、その遺跡は今回の遺跡より新しい時代に属するが、やはりホビットとその祖先に関連したものだという。
今回の発見は、アフリカを起源とする古代人の石器文化が、考えられていたよりはるかに長期間にわたってこの島に存在していたことを示している。ロンドン自然史博物館の古生物学者で今回の研究には参加していないクリス・ストリンガー氏は、アフリカを出た初期の人類が今から100万年前までに、これまで考えられていた以上に広い地域に散らばっていたことを示す「胸躍る」発見だと話す。

発見された石器と骨から、ホビットの祖先はおそらく小さな脳を持ち直立歩行したホモ・エレクトスで、約150万年前にアフリカを出て、88万年前までにはフローレス島にたどり着いたと考えられるリンク [3]

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さらに、このホビットの祖先はホモ・エレクトスより原始的な生物である可能性がある。「もっとも、まだ作業仮説に過ぎないが」とブルム氏は付け加える。
ホビットの骨を最初に発見した研究チームは、発見を2004年に報告した際に、この骨がホモ・エレクトスの子孫である新種のホモ・フローレシエンシスだとした。その後、ホビットの手首、脚、頭蓋骨、顎、脳、肩の特徴の研究が進み、ホモ・エレクトスよりも原始的な生物の子孫であることが指摘されている。ロンドン自然史博物館のストリンガー氏は、「解剖学的にはその可能性がますます高くなっている」と話す。リンク [4]

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「まずは劇的な矮小化(わいしょうか)ですね。あまりに小さいんですよ。身長が1メートルほどしかないんです。最初に化石を研究したオーストラリア人研究者は、一番地理的に近いジャワ原人から矮小化したという説を、考えられる説明のひとつとして述べたんです。でも、人類の進化というのは、原人以降は脳も体も大型化するので、それが全く逆の方向へいってるわけなんですね。特に脳が小さいのは問題でして。そもそも、ホモ属の定義が、脳がある程度大きいことも入っているので、定義変更しなきゃいけないことになる。それぐらい大ごとなんです」

「時期的には一番最近まで生きていた原人ということになりますし、当然、ホモ・サピエンスがいた時代です。それに場所も興味深いんです。フローレス島は、サピエンスがアフリカから拡散してオーストラリアまで入るルートの途中にあるんですね。そこに、あんな原始的な人類が生き残っていたわけですから。僕自身、ウォレス線を越えるのは、ホモ・サピエンスになってからだと思い込んでました。あの海は渡れないだろうと。フローレス島から古い石器が出る話は前からあったんですけど、あんまり真剣に見てなかったんです。フローレス原人の化石が出て、ああ、自分が間違っていたと思い知らされたんですね」リンク [3]

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とりわけ脳サイズが極端に小さくなることは「あり得ない」とされるので、海部さんらは、この4月の論文では、3つの論点から「実はそれほど極端な矮小化ではない」と示した。 1つ目は、もちろん脳サイズの厳密な測定だ。

「頭骨の高精度CTスキャンデータから3Dプリンタでレプリカを作って、それを切ってみて、内腔のダメージの様子を見たんです。実物だと切って中を見るわけにはいかないので。そして、ダメージのあるところに粘土を張りつけて復元して、脳サイズは426cc、誤差はせいぜいプラスマイナス3ccだとまでつきとめました。これまで380ccから430ccの間とされていた推定の幅の中では、大きめの脳サイズだと分かったわけです。

「もう1つ大事なのが、人類は体が小さければ脳サイズも小さいというふうに、体と脳のサイズは連動しているんです。その関係が十分理解されず議論されていたんです。先行研究を見ていて気がついたのは、デンマーク人という1つの集団から導き出した体重と脳サイズの関係を使っている。でも、特定の地域集団の中の個人差を見た場合と、集団の間で比較した場合では、関係が違うことがあります。僕らは今、ボディサイズの違う原人の集団というものを想定しているのだから、例えばホモ・サピエンスで対照するなら、ホモ・サピエンスの中の体の大きい集団、体の小さい集団の集団平均値をプロットして比較すべきだと。体が大きいヨーロッパ人だとか、体が小さいピグミー、ネグリトですとかデータを集めると、これまで言われていたよりも、体重が小さくなると脳サイズも顕著に小さくなることがわかりました」

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