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「次代の可能性をイスラムに学ぶ」~プロローグ

Posted By tano On 2012年5月5日 @ 9:01 PM In Ⅵメソポタミア文明 | 9 Comments

こんばんは。暫く間が空きましたが、新シリーズの紹介です。
今回はイスラムを扱いたいと思います。まず、なぜイスラムを扱うか、そこの問題意識についてこのプロローグで考えてみたいと思います。
リーマンショック以降、アメリカ中心の金融経済が迷走し、昨年からはヨーロッパ経済がガタガタになりはじめました。これら西側諸国の自由主義経済、強いてはそれを支えてきたキリスト教経済圏が破綻し始めている事を示しています。さらに歴史的には武力、経済力などいわゆる力の原理で社会秩序や国家統合を図ってきたのがこれまでの世界の制覇国の原理でした。多分にもれず、遅れてきた東側社会である日本や中国、東南アジアもその仲間入りをして追随していきました。
当然バブル崩壊や世界経済の混迷、破綻に巻き込まれ、私権社会西側も東側の国々も今後混迷を深めていきます。しかし、ここに来て、それらの経済圏や価値観と全く異なる地域、国家群が世界の中にそれも相当の数存在する事が注目されています。
それがイスラム圏です。
%E7%A5%88%E3%82%8A%EF%BC%92.jpgこちら [1]よりお借りしました。
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イスラム教は20世紀以降においても、着実に信仰人口を増大させています。なぜ、イスラムが現在元気がよいのか?同時期に発掘された石油という魔法の資源がその吸引力となった事と時を一致させますが、一方でイスラム教が貧困層に慕われ、規範や規律が明確な生活や集団維持の為の宗教であるという事も無関係ではないでしょう。21世紀に人類が迎えるであろう私権社会の終焉と次の共認社会の始まり。この20世紀後半に伸びてきたイスラムにはきっと次代に繋がる何かがあるのではないだろうか?それがこのシリーズを立ち上げた最初の問題意識です。
%E5%AE%97%E6%95%99%E5%89%B2%E5%90%88.jpgこちら [4]よりお借りしました。
まず最初に明らかにしたいのが、世界で20%を占めるイスラムという共認域です。どんな共認域で彼らがまとまっているのか?集約すればコーランがその中心であると言えますが、どのように誕生し拡大してきたのか?私権社会が閉塞しその終焉を迎えようとしている現在も尚、その人口、地域は拡大を続けています。―イスラム教はなぜ誕生したのか、そしてその教え人々に何をもたらしてきたのか?現在でも人々を巻き込んでいるこの宗教の本質とは何か?そこに迫っていきたいと思います。
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こちら [5]よりお借りしました。
また、イスラム金融システムでも紹介されているようにイスラム圏ではお金がお金を生む金融という市場を禁じています。この事がもっともイスラムを象徴していると思うのですが、イスラムはつまりキリスト教文化圏の反対側の世界としてその登場から発展まで継続しているのです。後の投稿で紹介していきますが、イスラム教はキリスト教と同一の神、ヤハウェを信仰しています。しかし、神の意思の解釈が異なると言う事でその後のキリスト教と大きな差異が生じていきます。この差異が禁欲であり、規範であり、集団性なわけです。
当ブログのメンバーでイスラムとキリスト教を分けた最大のポイントは何か?を議論したのですが、それはどちらも同じ共認不全(人と人とが信頼できない状態)からスタートしています。しかし、キリスト教は個人を対象化、イスラム教は集団を対象化しています。
イスラム教が集団規範に載っており、個人の自我を戒める事に徹底しているのはその違いによると思われます。なぜこのような違いが発生したのか?これは宗教誕生の頃のこの地域の気候、そこに残っていた集団の有り様などから探っていく事になります。つまり、非常に厳しい乾燥化と当時イスラム圏で起こった戦争という外圧に対して集団化することで対応した最初の集団がイスラムの原点になっているのではないでしょうか。
このように誕生したイスラムですが、その後しばらくは中東世界で広がり、やがてインドを皮切りに世界宗教へ拡大していきます。イスラムの変遷と言われている部分ですが、イスラム成立時から徐々に変化していったイスラム圏の拡大の原動力を見ていく事が次のテーマです。キリスト教のように布教活動をそれほど明確にはしていません。彼らの拡大の真の目的とは何か?この時代の拡大に近代のイスラム社会の拡大に繋がるヒントが隠されています。
そして近代のイスラムです。冒頭で書いたように金貸し勢力が入り込まなかったイスラムというのは非常に興味が膨らみます。なぜ金貸しが手を出せなかったのか?どのような攻防があったのか、これは現在の金貸し支配に対抗する一つの可能性として扱っていきます。また、注目すべきはイスラム社会は民主主義を明確に否定していると言う事です。先の中国でも扱いましたが、民主主義を取らない勢力は世界で半数以上存在します。
アメリカが民主化路線で正当化しイスラムを攻撃しますが、イスラムの社会には自由競争、民主主義の嘘、違和感を既に見抜いており、独自の価値観で社会を構成しています。リビアのカダフィに代表される、民族全体の存続を考えた統治主義というべき本質的な社会統合を目指しています。~参考「カダフィ政権崩壊後、リビアで二度と見られなくなる16項目の善政 [6]
最後にイスラムと日本の摺りあわせを行ないますこれほど集団性を兼ね備えたイスラムですが、日本との接点は意外と歴史的に多くありません。そして私たちが彼らをイメージする際にあまりに情報が少なすぎ、肯定的に理解するのに乏しい状況です。西側世界の価値観で歪められ、イスラム=辺境、悪、異端として刷り込まれてきた私たちの史観を一旦疑う必要があります。
だから、イスラムを知りたい!
私たちがイスラムに学ぼうとした起点も実はここにあります。
歴史的には同じように共同体を維持してきたイスラムと日本、何が違い、何が同じなのか?また、イスラムに私たち日本人は何を学ぶべきか?イスラムを通じ、次代の社会に必要な答えが導き出せればと期待しています。
このシリーズの記事を最初に設定しておきます。
※追求途上でタイトルが変更する事はご容赦下さい。
1.現代のイスラム社会の構造~イスラム女性は充足しているか?
2.現在のイスラム社会の構造~経済と政治はどうなっている?
3.イスラム世界の源流とは~イスラム教前夜の状況
4.イスラム教の本質って何?
5.イスラムにとって武力とは何か?
6.市場拡大とイスラム圏の拡大を重ねてみる
7.オスマン帝国の拡大、統治は何だったのか
8.時代を経ても変わらないイスラム思想
9.イスラムに見る反西洋、反民主主義
10.拡大するイスラムの限界とは
11.イスラムと日本の関係史
12.イスラムに学ぶ~日本と何が違い何が同じか

当ブログでは過去投稿に同様のイスラム追求シリーズがあります。
今回の記事と併せて探求の資料とさせていただきますので掲載しておきます。
シリーズ:『イスラムを探る』 第11回 イスラムの可能性は? [7]


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[2] Image: http://blog.with2.net/link.php?538666

[3] Image: http://history.blogmura.com/

[4] こちら: http://www.bekkoame.ne.jp/i/funyara9/syukyo/s_jinkou01.htm

[5] こちら: http://21432839.at.webry.info/201203/article_14.html

[6] カダフィ政権崩壊後、リビアで二度と見られなくなる16項目の善政: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=258078

[7] シリーズ:『イスラムを探る』 第11回 イスラムの可能性は?: http://blog.kodai-bunmei.net/blog/2010/08/001108.html

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