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著書分析より明らかにする日本支配の始まり4~神話から倭族の系統を明らかにする~

Posted By staff On 2011年8月26日 @ 11:46 PM In 長江文明 | 2 Comments

こんにちは そしてはじめまして、はるちゃんです
前回 [1]に引き続き、シリーズ「著書分析より明らかにする日本支配の始まり」第四弾です
今回は鳥越憲三郎『古代朝鮮と倭族~神話解読と現地踏査~』を参考に、長江で豊かな文明を築いてきた倭族がどのようにして朝鮮半島へたどりついたのかを神話の分析から考えていきます
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長江から朝鮮半島にやってきた倭族の系統は二つあると考えられています。朝鮮半島に渡った二系統の倭族がどのように日本に渡来し弥生人となっていったのかに迫っていきたいと思います
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【二系統に分かれる朝鮮半島の卵生神話】
朝鮮半島では、栄えたそれぞれの国々の始祖が卵から生まれるという形の「卵生神話」が伝えられてきました
その卵生神話は大きく二つに分けられます。ひとつはA高句麗・百済の系統、もうひとつはB新羅・駕洛(任那)の系統です。
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そもそも卵生神話はポリネシアや長江下流域の倭族に伝わる神話で、殷王朝時代に王朝の権威づけのために確立したものと考えられています。やがて卵生神話は、戦乱により倭族が亡命していった各地へ拡散していきました
 
その倭族の一部が朝鮮半島へたどり着くのですが、それぞれの倭族の一団が朝鮮半島へ渡った経路により卵生神話も大きく二つの系統に変化しているのです。
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AとBの神話は、それら倭族が朝鮮半島にどのようにたどり着いたのかを伝えています。(地図参照)
 
Aの神話には、狩りの名人や豚などが登場しますが、これらは北方の影響を受けた表れです。倭族の神話は異民族にも受け入れられました。北方民族の扶余族が南下した際、土着民に伝えられていた卵生神話をほぼそのまま下敷きにし、扶余族の神話としています。倭族の一団は黒竜江上流域から東北平原へ北上し、朝鮮半島へたどり着いたのです。これを決定づけるものが、魚とスッポンが橋となった話です。魚とスッポンが川を渡るための橋となったということは、倭族の一団が川を横断し、陸路で朝鮮半島へと向かったことを暗示しています
 
また、Bの神話には箱や瓢の語が出てきます。「箱」は長江下流域から海を渡って倭族の一団が朝鮮半島にたどり着いたことを暗示しているのです
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以上、神話の系統を図にしてみました。これにより、神話には大きく二つの系統があることが分かって頂けたかと思います。
 
つまり、朝鮮半島は、倭族の支配する国(新羅、駕洛)と、倭族の文化を受け入れた異民族の国(高句麗、百済)により形成されていたのです
【記紀から抹消された日本の卵生神話】
これらの卵生神話は古事記、日本書紀には見受けられません
神話はその国の支配階級が支配をスムーズにするための道具でした
ひとつは権威付けのため北方系民族に借用され、またひとつは倭族自身が自らの神話が海を越え、自分たちの出自を教えるため朝鮮半島で伝えられて来ました。古事記、日本書紀には卵生神話は伝えられていません。
 
しかし、実は記紀よりも古い各地の風土記には倭族の神話「卵生神話」が伝わっているのです。つまり、日本に卵生神話は伝えられたのです
 
それらの一つが、山形県、秋田県に伝わる鳥海山の始祖伝承です。
巨大な鳥が卵を抱いて山に飛来し、その卵から始祖である菩薩や親王が生まれたという話です
同じく鳥の卵から人が誕生する神話が南東諸島にも伝わっています
また、卵生神話が形を変えたと考えられる神話が古事記に伝えられています。
新羅から来たアカルヒメが太陽の光 を浴びて身ごもるという話で、Aの話に類似しています。残念ながら、アカルヒメが生んだのは卵ではなく石なのですが、これは卵が石へと変化したのだと考えられないでしょうか
 
【日本の支配階級は朝鮮半島からの出自を隠そうとした?】
神話は支配階級が自分たちの集団を正当化するのに最も便利な道具でした。日本では卵生神話はなんらかの理由により淘汰されてまったのでしょう。支配階級が卵生神話を必要としなくなった、もしくは不必要と感じたため消されていったのだと考えられます
それは当時の支配階級が朝鮮半島から渡来したという自らの出自を伝えたくなかったためではないでしょうか
               
次回も引き続き朝鮮半島の倭族に迫っていきます
日本人のルーツが垣間見えるかもしれません


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