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縄文探求シリーズ【縄文時代の風習】~なぜ抜歯が行われたか~

Posted By staff On 2011年1月22日 @ 9:30 AM In 縄文人の集団統合 | 2 Comments

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こんにちは :-)
こちらの骸骨さん、前歯がありませんが、
虫歯になったからではなく、健全な歯をわざわざ抜いたものなのです
縄文時代に「抜歯」という風習が始まりました。
縄文人はなぜ抜歯をしたのでしょうか?
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抜歯儀礼には、以下のような意味があるといわれています。
●抜歯儀礼の意味

A)通過儀礼
①成人儀礼
②婚姻儀礼
③服喪儀礼
B) 病気治癒祈願・予防のための祭祀

 成人儀礼とは、すなわち「成人」と認められることであり、未開社会における「成人」とは何らかの「生業集団」や社会的、政治的、宗教的グループへの参加、加入が認められることであり、それにより個人が「成人」あるいは「男性」「女性」としての役割・振る舞い・特権を持つようになることをいいます。端的にいえば、集団成員権の獲得と、婚姻し、子孫を残せる大人として認められるということでしょうか。
 婚姻儀礼は、文献①において、女性の妊娠・出産を婚姻の締結とみなして考えた場合、縄文人の抜歯年齢が出産年齢(15~18歳)より前の13~16歳であることから、婚姻儀礼説を否定されています(婚姻の締結をするために抜歯をする方が自然ではないでしょうか?)
 服喪儀礼とは、地位的に上の者が亡くなった時に、下位の者や近親者が喪に服するためにするという意味です。これは、身分階層社会ではない縄文時代には見られず、弥生時代に入ってから見られるようになりました。
抜歯の意味が、「男性」「女性」としての役割・振る舞いの獲得という意味だけであれば、抜歯の種類はそれほど必要ないのですが、歯の抜く箇所に以下のようなバリエーションがあることが分かっています。
[3]
見た目に抜歯をしていることが分かりやすい広型と、分かりづらい狭型とに分け、無抜歯を含めると、7種類あります。
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↑のように、晩期には1つの遺跡内に3~6種類の抜歯形式が確認されています。
また、抜歯形式が墓域内(出土地点)で空間的な偏りを見せることが分かっています。
縄文時代の抜歯の特徴を時期を追って見ていくと次のようになります。

前期:抜歯施行率少
中期:抜歯施行率は前期より少し増加
後期:1体当たりの抜歯本数が2本以上の個体の割合が増加し、上下顎切歯に加え犬歯の割合が増加。
後期中葉:抜歯施行率増加。抜歯対象歯種は切歯に代わり、犬歯が主流になる。
晩期:抜歯施行率はほぼ100%。施行年齢は10~20歳の間がほとんどを占める。

このように後期、特に後期中葉から抜歯の様相が大きく変化しているようです。

この時期は、東日本においては、集落研究から、縄文時代中期後半に盛行した大規模環状集落が終焉を迎えた後に、遺跡数の極端な増加という形で「非居住域への分散居住」現象が見られる時期である。(中略)即ち、縄文時代中期末から後期中葉には、環状集落の解体に伴い日常的な場での部族の縮図としての構造の確認が困難になり、集骨や環状列石など非日常的な出来事を利用して集団としてのまとまりを再確認するような行為が必要になってくるのである。これら縄文時代後期に見られる諸現象の変化の背景には、世代を超えた系譜意識の形成とともに、細分化された社会単位の統合の必要性があったと指摘されている。

縄文後期~晩期は寒冷化により人口が減少した時期です。大規模集団を養えるほどの食料がなくなり、小さな集団が食料を求めて各地に分散していく。そこでは、縄張りを確保するために、自集団と他集団を明確に区別する必要があった。そこで、抜歯という多大な身体的痛みを伴う通過儀礼を作ることで、集団内の自我を封鎖し、かつ集団への帰属意識が保たれるようにした。
縄文人にとって、抜歯の痛みはどのようなものだったのでしょうか。
はかりしません。


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