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「私権文明を問い直す」シリーズ5 ~私婚関係から私権の共認へ~

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月を見ているのはお馴染みの「かぐや姫」ですが、帝まで夢中にさせたその力とは?
(図はこちら [1]からお借りしました)

当シリーズ5回目は、前回の「私権文明を問い直す(西洋と東洋)」 [2]から、さらにその本質を掘り下げていきます。
シリーズ2回目 [3]で、性闘争の顕現=「500万年に亙って封印してきたパンドラの箱を開けた」とありますが、ここから掠奪闘争が勃発し、その玉突きによって本源集団が解体されて私権文明が成立した構造が明らかになりました。
ところで、現在、(私権文明の世界では)空気にようなあたりまえのものとして共認されている「私権」 [4]とは、いったいどのように成立し、共認されるようになったのか?
「私権」は、ある日突然誰かが独占を主張してもそれが共認されるハズもなく、私婚関係が(それが社会的に共認された事が)下敷きになってはじめて成立しています。

この構造を、シリーズ2 [3]の「性闘争の発現」と、シリーズ3 [5]の「本源集団の解体」によって、(原猿以来の)集団の最基底部をなす「男女解脱共認」がどうなったのか?から見ていきます。
今回も、るいネットの「実現論」 [6]から引用させていただきます。
by tamura
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私婚関係から私権の共認へ

パンドラの箱を開け、性闘争=縄張り闘争を顕現させて終った以上、そして本源集団を解体し、本源共認を破壊して、モグラの性闘争=縄張り闘争の本能の次元まで後退して終った以上、人類は原猿と同じく雌雄解脱共認の形成から共認を再構築してゆくしかない。ところが、掠奪闘争によって人類の雌雄関係=婚姻関係は、一変して終った。
本源集団が破壊され、性=婚姻の相手を定めていた婚姻規範が消滅して終った結果、性=婚姻は私的な選択に任されることになって終ったのである。
性が、無政府的で本能的な性闘争に任されることに成ったとも言える。

「本源集団が破壊され・・・性=婚姻は私的な選択に任されることになってしまった」
という事実は、それが当たり前になっている現代からみれば、新たな気付きです。一旦、善悪は別にして、大転換だったといえます。

しかし、性の私的な選択の場では、男女の性闘争本能の強弱差から、必然的に女の性に強い価値が生じる。しかも、闘いが無くなり生産基盤も安定してくると、男たちは解脱収束を強め、性欠乏を更に肥大させてゆく。他方、私的な婚姻関係は、女の性的自我をますます肥大させてゆく。そこで、本源集団=母系集団という安定した存在基盤を失い、性的自我に収束した女たちは、性を武器にして己の存在権を確保する方向に(つまり自ら性の商人となる方向に)、可能性収束=性的需要収束してゆく。そして、男たちを挑発しつつ性封鎖(供給制限)して、自分たちの性が「滅多なことでは売れない」「この上なく高価なものである」という性幻想を捏造する。

上記の性幻想の発生までを図解化してみました。
男:闘いが無くなり → 解 脱 収 束→女は性的 ⇒ 性 幻 想
女:母系集団を失い→ 性的自我に収束 →需要収束  (挑発しつつ供給制限)

何しろ女は、自分で自分を「至上のもの」と思い込んだら終いで、男たちは女の思い込みに基づくこの期待に応望しようとすれば、女と同じ様に「至上のものなんだ」と思い込み共認するしかない。こうして、性的商品価値(=性資本)の共認がいったん形成されると、それを手に入れる為に男は、女の好き嫌いやあれこれの要求にも迎合し、女に合わせて同じ様に思い込み共認してゆくしかなくなる。
しかも、それは最基底の男女解脱共認であり、それを覆すことはもはや誰にも出来ない。

実現論:第二部(私権時代)ハ.「私婚関係から私権の共認へ」 [9]より引用しました。
冒頭の「かぐや姫」は、数ある求婚者のなかで残った5人の公家の君に対して、指定した珍しい宝物を持ってくるよう要求。5人は奮闘したが失敗(1人は死亡)、かぐや姫は帝と交際するが結局は帝を捨てて月に行ってしまうという平安時代の物語。
物語は、姫のために命を掛ける男たちが極端に描かれているが、性的商品価値の基礎構造(ゆえに全ての男女に当てはまる)を端的に示している。 

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こちらは蛇足ですが,日本の80年代末のディスコ(クラブ)の女たち。
ここまでくると「実」も「フタ」もありません。
70年に貧困が消滅し、解脱欠乏が高まって80年代には性権力は暴騰、しかし、その直後に失速し、性的商品価値は暴落しました。

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