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王権の生産

こんにちは ♪ milktea です。
今回初めてシリーズ記事を投稿します。
どこまでやれるかちょっと自信がありませんが、頑張ってみますね (´∀`★)+.゜
王権の生産
 何を持って、その人物を王であると定めたのか

 1 共通課題になった王の生産 序論
 2 共通課題になった王の生産 本論 
 3 王の再生産…卑弥呼と古墳の存在理由
 4 複数の王位継承権保持者
 5 生前譲位という王権移行の形
 6 葛城・蘇我・藤原の役割が果たしたこと
 7 まとめ 私見『天皇家の存在意義』

 よろしくお願いします☆
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はじめに
 この記事を書いている現在、バンクーバーではオリンピック出場選手が必死で頑張っています。よく日本代表選手が「応援席に日の丸を見つけるとほっとする」「ポールにあがった日の丸を見て感無量になった」そんな事を口にします
 日ごろ「日本国」の一員としてこの国をはっきり意識することは少ないのですが、外国に行ったり、他国の文化に触れたりした時に『日本国民』を意識する機会が多いのではないかと思います。ちなみに明日からわたしはロンドンへ行くのですが、パスポートによって身元を保証されるということなんでしょうね
 時代時代でその有り様が違っていた日本の天皇は、現在『日本国民の象徴』となっています。「象徴っていったい何だろう…はっきりコレって掴めるものじゃないな」そんなふうに思います。でも、テレビで美智子皇后が腰を落として訪問先の人々に笑顔で接している映像などを見ると、正直に「何てステキな笑顔なんだろう」「きっとその場にいた人達は、元気になったのでは?癒されたのでは?」わたしはそんな感想を持ちます。
 とてもあいまいですが、「天皇家の存在が無意識に刷り込まれていること」それが象徴の持つ意味なのかな、と思ったりしています。
 世界一古いとされる天皇家が日本国民の象徴として存在する、これ自体とても不思議なこと、言い換えれば稀なことであるのは事実でしょう。捨てるべきもの、捨ててはいけないもの、取捨選択を迫られたとき、『象徴である天皇』は、捨ててはいけないものという考えを持つ立場から、この稀なことの起こりを考え、天皇家の存在意義についての私見を、明らかにしてみたいと思います。
 上記の各項目について、多くの歴史研究家が諸説発表していますが、ここでは遠山美都男氏の論説をベースに執筆していくことを、はじめにお断りしておきます。引用文章には、文中に出典を付けさせていただきます。また、参考文献は10冊程度を予定しており、シリーズの最後にまとめて記載いたします。
また、直接当時の人の気持ち、考え方を知るわけにはいきませんが、心理カウンセラーとして、推測とはいえ、その心理を考慮しながら書き進めていきたいと思っています。
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1 共通課題になった王の生産 序論
 この国に王が誕生する以前、稲作文化が伝播した列島各地ではこんなことが考えられ始めていたのではないでしょうか…
社会を構成する最小集団は家族である。
コメ作りは収穫できたときの喜びが大きいけれど、家族だけではとてもとても心もとない。雨は充分に降ってくれるか、お日様は充分か、よそから来た人が、自分達にもコメを作らせてくれと言ったらどうしようか、腕っ節の強い者がケンカを始めるかも知れない、盗っ人がやってきてコメを刈られたらどうしようか…そんな時、隣の家族と、またその隣の家族と、たくさんの家族が仲間になって助け合わなければならないなぁ。そのためには、いろいろな問題を解決してくれる人、言ってみれば「みんなの主」になってくれる人が必要だな・・・。
ムラという共同体とリーダーが誕生した瞬間でしょう。この時点で、リーダーとムラを構成する人達の間に『支配者』『被支配者』という構図は、潜在的に潜んでいたにせよ、当事者間にその認識はまだ無かったと思われます。諸問題を調停、解決する能力を持った人物に共同体を託すことが望まれたからです。そして「これだけの厄介ごとを引き受けてくれる人の意見には従わなければならないだろう」そんな認識が生まれたことも、容易に想像ができると思います。
以上は、まったくの個人的見解ですが、この沿線上に『クニ』『首長』ができていったのではないでしょうか?
次回は、この『首長層』から『王』の誕生が求められたことについて考えてみたいと思います。

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