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キリスト教が世界一の信徒数をもつに至った訳は?

地球上の3人に1人はキリスト教である。
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 こんばんは、カッピカピです。
 以前、当ブログで、『なぜキリスト教がこんなにも広まったのか』を3つの記事で書きました。
第一部『キリスト教ってどんな宗教?』 [1]
第二部『イエス・キリストって、どんな人?』 [2]
第三部『キリスト教布教における重要人物「パウロ」』 [3] 
 しかし、本日、なんで屋サロンで議論した結果、まだまだこれについては追及する余地あり、再度この問題をテーマに記事を書いていこう、ということになりました。
 今日は、キリスト教がなぜこんなにも広まったのかを追及する取っ掛かりとして、キリストとユダヤ教の違いついて書いてみたいと思います。
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■キリスト教にとってのユダヤ教とは?
 ユダヤ教がキリスト教の母体である、ということは以前このブログ [6]でも書いていますし、多くの人が知っている事実でもあります。
 しかしながら、イエスはキリスト教の教祖であり、彼の登場と宣教によって、それまでのユダヤ教とは異なる新しい宗教が出現したかのように捉えている人は多いのではないでしょうか。
 もちろん、イエスという存在抜きにキリスト教の成立はありえませんが、イエス自身は、旧約聖書やユダヤ教を否定して、別の宗教を創唱するのだという意志も意識もなかったと考えられています。
 それを端的に示すのが、キリスト教の聖書の中に「旧約聖書」が含まれているという点です。もしイエスがユダヤ教とはまったく別の宗教を創ろうとしたならば、キリスト教の聖典の中に旧約聖書は含めないだろう、と考えられます。
 
 つまり、キリスト教はユダヤ教を母体として成立するものであり、歴史的にはユダヤ教の一分派として出発したことになるのです。
 
■キリスト教に受け継がれたものとは?
 
 では、キリスト教はユダヤ教、すなわち旧約聖書から何を受け継いだのでしょうか。
 最も重要なのが、唯一神という観念です。『唯一にして絶対の存在である神が、この世界や人間を創造した』、と信じることは、ユダヤ教・キリスト教の信仰に共通する大前提といえます。
 そして、これに加えて、『神が人間と契約を結ぶ』という考え方も、「旧約聖書」からキリスト教に受け継がれた重要な概念です。そもそも、「旧約」とか「新約」と言っているのは、この概念からですから。
■キリスト教がユダヤ教から受け継がなかったもの
 反対に、キリスト教がユダヤ教から受け継がなかったものとは何だったのでしょうか。これは言い換えると、ユダヤ教の特徴とも言うことができます。
 それは、世間一般でよく言われているように、ユダヤ教は選民主義の宗教である、ということです。これは、ユダヤ民族のみが神によって特別に救われる約束を与えられているという意味です。
 キリスト教では、神を信じる者には平等に救いが訪れる、ということになっていますから、ユダヤ教とはこの点で大きく異なっています。
 また、ユダヤ教が律法主義であるという点も重要な特徴です。神によって選ばれた民族とはいえ、神の律法を破ってしまえば、罰を受けることになります。国家の滅亡や、バビロン捕囚もそのように考えらています。
■キリスト教が広がっていったのは?
 この律法主義が行き過ぎると、その律法を遵守できる者だけが救われるというエリート意識を生むことになります。そして、そのような律法は、ごく平凡に生活している人間にとっては、とても厳格に守れるような代物ではなく、結果として、エリート達による差別や蔑視が生じ、宗教的な差別が実生活上の格差へと発展することになります。
 そのような時代に、現れたのが、「信じる者は皆救われる」と説いたイエスという人物だったのです。律法を守れなくてシンドイ思いをしていた平凡なユダヤ人にとっては正に救世主(メシア)だったのではないでしょうか。
 キリスト教が貧困層を中心に広がっていった訳はここにありそうです。 

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