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欧米支配層の思想底流:プラトン主義・中世主義  ~ジョン・ラスキンの思想より~

Posted By ihiro On 2009年7月19日 @ 9:17 PM In ⅩⅠエトセトラ(その他諸々) | 2 Comments

今回はややワンポイントですが、欧米の支配層に見られる思想について、少しまとめたいと思います。
こんなことを追求し出したのは、
ちょうど社会主義の崩壊とともに、環境保護主義がイギリスから始まったこと、その深層には中世への憧れが見られることからです。。
“中世の頃の暮らしに戻ろう忌わしい車や機械をなくそう”という彼らは、CO2温暖化説を大変気に入りました。CO2とは工業化の象徴だったからです。
>環境過激派が現れたもう一つの理由は、世界中で共産主義が失敗したからです。

金貸し(右派)と環境過激派が相乗りしてCO2温暖化説をプロパガンダ [1] より
CO2温暖化説を世界共認に持ち上げた連中は、工業や機械への反感を持っていたことが伺えます。
また上記の文節からは、共産主義が失敗したその代わりに環境保護・CO2温暖化を持ち出した・・・・とも伺われ、共産・社会主義の思想も彼ら発の可能性があります。
この中世主義そして環境保護主義、はいつ頃から見られるのでしょうか?僕の知っている限りでは、19世紀初頭のジョン・ラスキンに遡ります。彼は社会主義の実践運動家でもありました。
ruskin2.jpg [2]   ruskin3.jpg [3]
ジョン・ラスキン       ラスキンのスケッチ


ジョン・ラスキンは美術史や建築史に詳しい人なら聞いたことがあると思います。

http://yushodo.co.jp/showroom/takamiya/taka_10.html より以下引用

ジョン・ラスキン(1819-1900)といえば、ヴィクトリア朝のイギリスを代表する美術批評家、社会評論家、中世主義者、それに今でいうなら環境保護主義者でもあった。・・・・・産業資本主義に毒された安価で粗悪な製品に飽き足らず、中世のように純粋な心と手で生産に励もうとする精神は、工芸品を製造販売するモリスの商会や私家版と同じく、ラスキンの場合には「セント・ジョージのギルド」と呼ばれる農業共同体に結実し、彼の社会主義運動を実践する形となった。

このラスキンの思想について語っている本があります。ラスキンは超エリートによる国家支配が理想だと考えていたようです。そして実際、彼の思想的影響下から19世紀以降現代に及ぶ欧米秘密エリート結社が生まれていく。
若干蛇足 [4]さん より以下引用

 ラスキンの根本的な思想としてケネス・クラークの著書『ラスキン(思想)の今』から引用している。
 ラスキンは、国家が生産と流通手段を支配して、地域社会全体の利益にかなうようにそれらを編成すべきであると考えていた。彼は、一人の人間の手に国家の支配を委ねようとしていた。『私はかねがね、ある種の人間が他の人間よりも、時にはたった一人がその他全員よりも、優れていることを示している』ラスキンは民主主義をあまり評価せず、彼の考える自由には次の一語-こっそりと-がふさわしい。」(P61,62)
 クラークの本からの引用によれば、ラスキンは、プラトンの『国家編』から強い影響を受け、毎日のように『国家編』を読みふけっていたらしい。このプラトンの思想は、「あらゆる独裁制の原典」(P62)とも言えるもので、スクーセンが言うには、20世紀を席捲した共産主義に通じる思想だという(P64)。クラークのいう「こっそりと」とは、一般大衆にはわからないところで数人の上層の人間が上から秘密に操り、管理するということなのであろう。これは後に構築されていく「秘密ネットワーク」という言葉にぴったりと当てはまるのだ。

  
 さらに以下の文章を見ると、ラスキン以前の思想家、マルクス、エンゲルスも“独裁よる支配”という考え方に強く影響されていることも伺える。
若干蛇足 [4]さん より以下引用

 もちろん、マルクス、エンゲルス、サン=シモンも同じ原典の薫陶を受けた。ラスキンの著作がマルクスや他のプラトン学派の人々とよく似ているのも当然である。プラトンは強力な軍隊を擁する支配階級が権力を維持すること、社会が支配者の一枚岩的権威に完全に従うことを望んだ。彼は、既存の政府や社会構造を抹殺するにはどんな形であれ軍事力の行使が必要であると唱えた。そうすれば新しい支配者は“まっさらなキャンパス”に新しい偉大な社会を思い通り描ける。 プラトンの唱えたさらに高次元の“理想的な”社会には、結婚や家族の消滅が含まれる。そうなればすべての女性は男性の、すげての男性は女性のものとなる。相手を選ばないこうした結びつきから誕生する子供は、乳離れしたあとは匿名のままで国家によって育てられ、政府に取り上げられる。プラトンは女性が男性と対等になることを望んだ。――男性とともに戦場で戦い、男同様に働くのである。

 選ばれた男性と女性とによる子作りが政府主導で実践され、劣った、ある意は障害のある子供は排除される事態も生じる。社会を「支配階級」「軍人階級」「労働者階級」という三層に分割し、各階級に固定化する。プラトンいわく、人々は生まれながらにして、心に金、銀、銅を持っている。支配者は、国民がそれぞれ持つその金属を見定めた上で、その者にふさわしい階級に割り当てるのだという政府が吹き込む嘘を、国民が信じ込むようにお膳立てされている。
 プラトンはこれが真っ赤な嘘であると認めた上で、支配者の統治にとっては好都合である、と述べる。国民に宗教的原則として教えやすいからである。プラトンは全面的に共産主義(共同体主義)をたたえて、支配者階級のためにそれを用意した。(P63~64)

 ラスキンは19世紀後半のオックスフォード大学で記念講演を行い、英国支配階級が世界的使命を帯びていると教え、学生に衝撃的な影響を与えた。※1
 社会主義や共産主義による独裁制、そしてナチスの独裁制・優性思想も、上記のような超エリートによる支配が、西欧支配層において理想化されていたという伝統・土壌があったからこそ生まれたのではないだろうか?
 もっと推察すれば、かれらは、プラトン主義という一部支配階級による理想的な支配という思想に、社会主義や共産主義という大衆に受け入れやすい衣をつけさせ、流布させたのではないだろうか?
だから、社会主義は、大衆の自立というよりは堕落・依存ベクトル(支配のための)を強く孕んでいるのではないか?そしてだから、社会主義・共産主義の独裁制が失敗すると、手を変えて大衆への脅しを含んだ環境保護主義を打ち出したのではないだろうか?

 このラスキンの時代の英国で、ダーウィンによる進化論(自然淘汰論)ゴードンの優生思想が生まれているのも気になるところです。これもエリートによる支配の正当化観念の一つである可能性が高い。そしてその思想がナチスやアメリカに引き継がれ、大量殺戮兵器やエイズ開発、各種生物兵器やインフルエンザの開発へとつながっていった。(日本への無差別爆撃・原爆投下も無関係じゃない。)
このように欧米の支配層は、自らの支配に都合のよい思想を生み出しつつ、秘密結社を作り、世界操作・大衆操作を行ってきた。彼らが秘密結社化するのも、極少数のエリート支配という理想から見ると納得できるが、これさえも思想・情報を操作する最上部の人間の意図としては、エリートと祭り上げて操作しやすい連中(第2階層)を作るための方法論である可能性が高い。
一方で中世主義とは、彼らのノスタルジーも含んだ本音の理想境なのかもしれない。
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※1このラスキンの演説に感銘を受けてこの思想を実行した人間の始まりがセシル・ローズ Cecil Rhodes (1853~1902)であるという。ローズはオックスフォード在学時代に、ラスキンの講義をずっと手書きで書き留めていたと書かれている。
300px-Oxsky.jpg [5] 
 中世の雰囲気を色濃く残すオックスフォード大学
ローズ奨学金もその一環として考えられるべきである。ラスキンの崇拝者はオックスフォードとケンブリッジにまたがってグループを作っていたようで、彼らがローズに連合しはじめ、それを引き継いだミルナーによる円卓会議=王立問題研究所(RIIA)を、全英国自治領に作りあげる。そのRIIAからCFRなどのエリート組織が作られていく。
参照:『世界の歴史を金で動かす男たち』W・クレオン・スクーセン 
(by Hiroshi)


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[1] 金貸し(右派)と環境過激派が相乗りしてCO2温暖化説をプロパガンダ: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=180629

[2] Image: http://blog.kodai-bunmei.net/blog/ruskin2.jpg

[3] Image: http://blog.kodai-bunmei.net/blog/ruskin3.jpg

[4] 若干蛇足: http://ameblo.jp/kane55/entry-10007733329.html 

[5] Image: http://blog.kodai-bunmei.net/blog/300px-Oxsky.jpg

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