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イスラム教が戦争の原因なのか?~イスラム教最終回~

こんにちは!
【チーム・宗教】今回はイスラム教の最終回です
これまでの記事で、イスラム教は商人の宗教であることが明らかになってきました 😛
また、ムハンマドの一族を始め、アラブ商人たちを統合する必要があったことから、
宗教とはいえ、単なる信心に留まらず、行動規範という側面を有していることも判明しています。
さて、今回は最初の疑問に立ち戻って・・・
「現代のアフガニスタン問題に宗教は関係しているのか?」
という疑問を片付けて行きましょう!
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さて、現代のアフガニスタン問題ですが、mitsukoさんの投稿 [3]にもあるように、アメリカの覇権維持という目的が見え隠れしています。
では、アメリカはいつから介入しているのか?
そこを知るにはちょっと歴史を遡ってみる必要があります。
現在のアフガニスタン問題。実はこれは19世紀の英露の対立に端を発しています。
この時期のアジアにおける英露の争いはグレートゲーム [4]と呼ばれています。
このグレートゲームにおいて、重要な位置を占めていたのがアフガニスタンだったのです。
どういうことかと言いますと、当時、イギリスにとっては英領インド帝国というのがドル箱の存在だったのですが、そこに対し、地理的問題から、アフガニスタンをロシアに取られるようなことがあれば、大きな脅威となるのが目に見えていたので、双方共に何としても抑えておきたかった地域となったわけです。
そういう目論見のもとで起こったのが第一次・第二次アフガン戦争です。ロシアのインドへの南下を恐れたイギリスがアフガニスタンを先に抑えようとしたわけです。その結果、イギリスはアフガニスタンを保護国としました。
そして、20世紀に入り、第一次世界大戦が始まります。
この第一次世界大戦で疲弊したイギリス(正確には英領インド)に対し、アフガニスタンが仕掛けます。これが第三次アフガン戦争です。
ちなみに、この当時のアフガニスタン国王(アマーヌッラー・ハーン)はソ連と外交関係を樹立しています。
この第三次アフガン戦争の結果、アフガニスタンは独立することができました。
一方、世界(欧州・アメリカ・東アジア)は、第二次世界大戦に突入していくことになります。
この大戦が終わると、ご存知の通り、米ソの冷戦が始まります。
その後はソ連がアフガニスタンに対する影響を強め、1979年にアフガニスタンへ侵攻を開始します。ここで、アメリカが登場します。
と言っても、表舞台には出てきません。この戦争において、アメリカはCIAを通じて、ソビエト連邦に対する抵抗運動を引き起こすために、10年以上にわたって21億ドルを費やしたと言われています。ムジャーヒディーンと呼ばれたこの抵抗運動の兵士たちの中には、20以上のイスラム諸国から来た20万人の義勇兵が含まれていました。サウジアラビア出身のオサマ・ビンラディンもそれに加わった一人であるとされています。
そして時代は進みソ連崩壊後は、アメリカの一極体制へと変化していきます。その中で起きたのがあの「9.11」。mitsukoさんの投稿にもあるとおり、怪しさいっぱいです。
さて、そう考えると、アフガニスタン(の不安定さ)に大きな影響を与えてきた要因はいずれも外的要因によるものであり、もう少し詳しく言えば欧米諸国の覇権争いに巻き込まれた、というのが正しいでしょう。
特にソ連やアメリカがアフガニスタンに侵攻(空爆)した理由の中には、一般的には、イスラム教徒による反乱を未然に抑えるという理由があるようです。しかし、歴史的な流れを見れば、大国が侵攻(介入)したことによって、アフガニスタン国民が反発したのであり、彼らの統合軸になったのが行動規範ともなっているイスラム教であったというのが実際のところです。
それを、強者であるアメリカなどが、自己正当化のために「イスラムは悪者だ」というレッテルを貼るためのプロパガンダを行なった、というのが事実でしょう。
また、話がちょっと飛びますが、世論的には宗教的な対立とされているイスラエル・パレスチナ問題も、ちわわさんの過去の投稿 [5]にもあるように、イギリス・アメリカの思惑が強く影響しています。
このことからも、宗教対立が戦争の原因であるというのは、覇権争いを正当化する体の良いスケープゴートになってしまっているということが言えそうです。
さて、イスラム教については、一旦ここで終了
【チーム宗教】、次は世界最大の勢力を誇るキリスト教へと踏み込んでいきたいと思います
乞うご期待っ

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