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縄文時代の北海道と北東北の交流・交易

 今日は、北の縄文 [1]より北海道と北東北の交流・交易について紹介します。
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■北海道と北東北の交流
 北海道と北東北地方の縄文前期~中期の遺跡か発見された土器には、極めて高い類似性が見られます。形は筒型で、口縁部は山型の突起のあるもや、ラッパ状に開いてひも状の貼り付け装飾が施されているのが特徴です この時期に津軽海峡の両側の地域に発達した文化は、円筒土器文化と呼ばれています。土器以外でも石器や石製品等にも両地域の共通点が多くみられ海を渡っての交流が盛んだったことを示しています。

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■北海道と北東北の交易
 両地域の交流の証となるものは、黒曜石・ヒスイ・アスファルトなどの鉱物資源とベンケイガイ・オオツタノハガイ・タカラガイ等の貝類で作られた装身具です。これらのものは、原産地が特定されるので、そこから離れた地域で発見された場合は、何らかの手段で運ばれてきたとしか説明の方法がないからです。

■黒曜石
 青森県の縄文遺跡からは、北海道産の黒曜石が数多く発見されています。中でも赤井川産のものが多く用いられたようで、同じものは北海道の津軽海峡側の地域でも見つかっています。

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■ベンケイガイ製貝輪・南海産製貝輪
 ベンケイガイ製の貝輪は道内では噴火湾沿いの縄文遺跡で多数発見されているほか、道南の戸井貝塚からも発見されています。北海道にベンケイガイが生息していた確証はなく本州方面から運ばれてきたものと考えられています。
 伊達市有珠モシリ遺跡からは、イモガイやオオツヤノハガイから作られた装身具が発見されています。いずれも産地からは遠く、なかなか手に入らなかったものなので、極めて貴重なものとして扱われていたと思われます。

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■ヒスイ
 ヒスイは青緑色の美しい石で、道内の縄文遺跡からもヒスイの加工品が多く見つかっています。蛍光X線を使った分析によって、新潟県の糸魚川産のヒスイであることがわかっています。ヒスイの加工品は、その美しさや希少性から、権威の象徴とされていたと思われます。

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■アスファルト
 アスファルトは石鏃を固定したり、割れた土器を修復するときの接着剤として使われていました。当時は自然に湧出する天然アスファルトで、その産地は秋田県から新潟県にいたる日本海沿岸地方の石油鉱床地帯が中心だったと考えられます。成分分析から道内の遺跡で見つかったアスファルトにも秋田県産のものがあることがわかっています。

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 土器・石器による文化の交流から装飾品・黒曜石・ひすい・アスファルトといった貴重品のやりとりまで、海を渡っての交流も活発にあったことがよくわかりますね 😀 次回は大陸との交流も調べてみたいと思います。

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