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日本人はどこから来たか?①~陸続きか?陸続きではないか?

人類が日本列島に誕生した可能性は考えられない。となれば、列島最古の人類はどこからか移ってきて、最初の生活をはじめたと考えるのが妥当であろう。世界的に見ても、海を渡る技術は五万年以上古くは遡らないと言われているから、それ以前は、日本列島と大陸が陸続きの時期にしか、人類は渡来できなかったことになる。(日本の歴史01 縄文の生活誌 岡村道雄著 講談社学術文庫)
どこから日本列島にやってきたか?を考える上で、意外とこの視点はわかりやすいと感じた。(氷河期をどういう風に生き抜いた?等、色々疑問は尽きませんが…)
陸続きであるかないか?…この絶対的な外圧条件を元に、日本人の起源=資質を考えてみたいと思います。
byさーね
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「縄文の生活誌」という題名の本だけに、詳しく根拠が掲載されているわけではないですが、まずは抜粋してみたいと思います。

人類最古の時代である旧石器時代は、約一万年前より以前の更新世と言われる地質時代に相当し、現代の自然環境とは大きく異なっていた。旧石器時代の寒冷期には、氷や雪が陸地に閉じ込められてしまい、水となって海に流れ出さない。そのため、海水面が百メートル以上も低下し、列島付近では西の朝鮮海峡や北の間宮海峡・宗谷海峡などの海底が陸地化し、日本列島は大陸と陸続きの状態を呈した時期もあった。

年平均気温が現在より数度低いこのような寒冷期は、およそ十万年サイクルで訪れ、より寒冷な時期には大陸から日本列島への人類の渡来が可能だった。ただし、数十万年前には、日本列島全体の地殻が北に沈み込んでいて、深さ百三十から百四十メートルの津軽海峡は、一度も本州とは接続しなかった。より、北方の海峡も、数十万年前までは陸地化したことはなかったらしい。つまり、北からの「原人」の渡来は考えにくいのである。

では、日本列島が大陸と陸続きになった時期や、海岸線の位置を具体的に知ることが可能なのであろうか。すでに多くの研究が積み重ねられている。日本列島や周辺の海底に印された地形、たとえば海底に残された海岸段丘や川筋・河口などを調べて、海面が低下した寒冷期の状態を探る。さらには、陸橋を渡ってきた新種の哺乳動物が日本列島に登場する時期、あるいは西と北に陸橋が成立して日本海が湖のような状態になり、淡水に棲む珪藻や有孔虫の死骸が海底に堆積した時期を解明する方法などがある。

これらの研究成果を総合して、すでに百万年以上前に、東アジア東端の北緯四十度を越す地域まで進出していた「原人」が日本列島に渡来するチャンスは、約百二十万から百万年前、約四十三万年前、三十数万年前、二十数万年前の四回あったという意見がある。

4回あったかどうか?は正直この本を読む限り???です。しかし、少なくとも縄文時代は、中期に「縄文海進」と呼ばれたくらい、海水面が上昇(後期には海退)した時代であり、その間は陸続きではなかった。一方、その前は陸続きの時代があった。この事実は、しっかり押えておく必要があると思います。
~続く~

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