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番外編 DNAから人類の拡散を探る

さて、これまではミトコンドリアDNAからの研究をもとに、新大陸への人類の拡散を探ってきました。すでに紹介はしていますが、同様の研究でY染色体による、人類の拡散を探る研究が行なわれています。
今回は、番外編として 紹介します。
その前に・・・・
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ミトコンドリアDNAによる研究は、このDNAのサイズが小さく、変異の蓄積のスピードが、核のDNAより格段に早く、ようは、研究しやすい物だという事でしたね。ただし、女性にしか伝わらない物であるので、反対に男性だけの物での研究として、Y染色体が取り上げられています。
Y染色体は遺伝子数が70程度、その中で5000万塩基体
小さな染色体ですがミトコンドリアDNAと比較すると3000倍の大きさがあり、その為もあって研究が遅れていました。しかし最近はかなり進んできています。その中で
Y染色体による研究結果整理し、ミトコンドリアDNAの結果との比較をしてみます。
1:現生人類の共通祖先はどこで、いつ生まれたのか?
DNA:約10~20万年前のアフリカ(ミトコンドリアイブ)
 Y染色体:9万年前のアフリカで誕生
多少の差はありますが、男女が同じ時代になる必然性は無いといわれています
2:いつアフリカを離れたのか?
DNA:8万5000年~5万5000年の間
 Y染色体:約6万8000年前
これはDNAによる年代のY染色体は中間を行っています。
2:ハプログループ
DNA:大きく70ぐらいから、サブグループを含むとその3倍ぐらいか?
Y染色体:AからRまでの18の大分類、その下に153のハプログループに分類
分類の数は分類の仕方によるのでしょうね。大小は関係なく、対象は異なるが、分類の概念は一緒という事です。
4:拡散ルート  ローカスより
http://www.rocus.co.jp/dnatesting/ychromosomal/haplotype.htm
mtDNA-haplotypeMig.jpg      ミトコンドリアDNAの拡散ルート
Y-haplotypeMig.jpg     Y染色体の拡散ルート
上記を見ると、よく似ています。ただし、分岐の年代にはズレがあるようで、この点は更なる研究が必要のようです。
このように見てくると、かなり似通った結論が出ている事になります。お互いがお互いの研究の傍証になっているようです。
どちらにしても、単独で、全てがわかる物ではなく、更に多くの人のデーターを分析していく必要があり、考古学的な発見によって相互に確かめられる事が必要です。
来年は、この辺の考古学的発見があるといいなと思います。

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