こんにちは、カッピカピです。
今日は、「文字の誕生②~トークンから絵文字へ【後編】~」をみなさんにお届けしたいと思います。
前回、前々回と見逃した方はまずはこちらからどうぞ。
文字の誕生① ~記録の必要性から文字が生まれた~ [1]
文字の誕生②~トークンから絵文字へ【前編】~ [2]
お盆休みも終盤にさしかかりました。ここいらで、しばし、古代文明の旅に出てみましょう!
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まずは前回までのダイジェストです。
①文字は、交易活動を記録として残す必要から生まれた。
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②具体的には、「何をどこから、どれだけ持ってきたか」、「誰となにを交換したか」等を記録として残しておくためであった。
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③その記録のために使われたのが、粘土性の小さなオブジェ、「トークン」であった。
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④このオブジェを収納した丸型の封筒「ブッラ」(同じく粘土製)が発見された。
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⑤この丸型の封筒の表面には、中に入れたトークンを押し付けたと思われる、印章があった。
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⑥その印をみれば、中を開けなくても、何が入っているか分かった。
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⑦その内、印さえあれば、中に実際にトークンを入れる必要はないことに気付いた。
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⑧そして、ついに粘土板にトークンの型を押し付けるという、現在の文字の祖形が出来上がった。
というのが、前回までの復習です。
その後、前回のコメント欄にも書きましたが、粘土版に、トークンを押し付けてできる痕跡と同じ形を、
『尖筆(せんぴつ)で描き現す』という、いわゆる絵文字が誕生したのです。
ウルクというシュメールの古い町から、4000枚、このような粘土板が見つかっています。一々押さなくても、書けばいいと気づいたのかもしれません。
確かに、取引する商品を現すトークンがいつも、そばにあるとは限りませんし、たくさんの種類のトークンを持っていくより、1本の尖筆を持っていく方が、商人とって都合がよかったというのは容易に想像がつきます。
①トークンの発達が紀元前3500年頃に頂点に達していること
②現在わかっている最古の文字が紀元前3200年頃の絵文字であると言われていること
これらのことから、
この尖筆による絵文字の誕生により、トークンの使用が少なくなっていった、ということが出来ると思います。
追記
リクエストにお答えして、尖筆の画像↓です。
葦を削ってペン状にしたものだそうです。ちなみに、そこで使われる葦は、日本の葦とは全然違う竹のように太いものです。メソポタミアではこれで船をつくりますし、画家のゴッホは、葦を筆に絵を描いていたそうです。
葦の筆
(「古代オリエント博物館図録」より)
画像は「シルクロード見聞録」 [5]から拝借しました。