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龍の起源~精霊信仰より生まれた守護神

Posted By nishipa On 2008年4月12日 @ 10:30 PM In Ⅴ中国文明,黄河文明 | 2 Comments

こんばんは、etoです!
“龍の起源を考えることは、文明の起源を考える事に他ならない”とは、かの安田喜憲氏の言ですが、あらためて龍について考えてみます。
saahさんの『神々の変遷~自然神・・・水の神”龍”』 [1]においては、龍について以下のように書かれています。
>古代中国において、初めは純粋に水を自由に操る神として崇拝されていたものが、やがていつの間にかその自然を自由に扱う神秘な力を持った存在が、民を自由に支配する皇帝の呼称になり、、、
確かに龍といえば、大河で生まれた水の神、あるいは蛇信仰が原点になっていると思いますね。
でもちょっと違うようです。
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この写真は、約6000年前(新石器時代)紅山文化の牛河梁遺跡にて発見されたもので、玉猪龍と呼ばれている物です。イノシシ? そう、なぜに猪なのか、史実をもとに見ていきましょう。
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龍の足跡は紅山文化よりさらに古い時代から遼河地域に見られます。
中国最古の龍から見て行くと、、、
興隆窪文化 
  約8000年前 遼寧省 揚家窪遺跡 
  地面に石を置いて形作られた二匹の龍(1.4mと0.8mの長さ)。
      
  約8000年前 内モンゴル地区 敖漢旗遺跡 
  土器に龍が描かれていた。
  約8000年前 内モンゴル地区 興隆窪遺跡  
  人間と猪を同時に埋葬した遺構あり。
  遺跡からは猪と鹿の骨が大量に発見されている。
査海遺跡  
  約8000年前 遼寧省
  土器に赤色をつけた龍の浮き彫りがあり、 
  赤い龍の尻尾、とぐろを巻いた頭部の一部、全身が鱗で覆われていた
  約7800年前
  長さ19.2m、幅3mの石積みの龍。
  足下には雲をあらわすと思われる石積みがあり、空を飛翔している龍。
  遺体の耳に付けた龍の玉けつが発見され、中国における最古の玉製品
趙宝溝文化 
  約7000年前 河北省 小山遺跡  
  土器に書かれた龍と思われる動物文様が発見。 
  鹿・猪・鳥の頭、尻尾は魚、全身に鱗と思われる格子目文様。
  趙宝溝遺跡 
  龍の尻尾に鱗と見なされる格子目あり。
紅山文化  
  約6000年前 遼寧省 牛河梁遺跡  
  人骨の胸元より玉製の龍(猪龍) 太った豚か猪をモデル。
       
  約5500年前 内蒙古地区 三星他拉遺跡 
  玉猪龍 馬のたてがみが付いている。
      
以上から俯瞰すると、
約8000年前、龍はまず中国東北部の畑作・牧草地帯で森や川に生息する猪・鹿・魚などをモデルとした猪龍や鹿龍を原型として生まれ、約7000年前にかけて査海地域にて、現在の龍に近い形となり、約6000年前の紅山文化において、龍と玉と(さらに女神信仰)が一体となった信仰体系となっている。
古代より、満族は猪を崇め、蒙古族は鹿を崇め、朝鮮族は鳥を崇める信仰を持っていると言われており、猪・鹿・鳥・魚などは当時の生活における大変貴重な食料源であったろうと思われ、それらの動物たちへの感謝と、守り神としての信仰が、その背後にいるであろう巨大な力を創造し“龍”へと昇華したのではないかと思われます。
龍は紛れもなく精霊信仰の果てに生まれた守護神なのだろう。


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