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精霊が見えなくなったのはなんで?

今回は、祖霊信仰に潜む問題点を考えてみたいと思います。
精霊信仰(=事実観念)による技術の進展→生産性の上昇は、集団規模の拡大を生み出します。
その結果、それまではもっぱら自然外圧を主対象としてきた人々が、同類圧力という新たな外圧にさらされることになります。
同類圧力がもたらす緊張状態は、集団の結束強化を促すこととなります。
具体的には、拡大した集団を分割することによる共認強化と集団の多段階編成による統合強化を図ることとなります。
このとき、すべての人に備わっていた「万物の背後に霊を観る」能力が衰弱化の兆しを見せます。
いったい、何がおこったのでしょうか?
精霊信仰の真髄は、万物との同化にあります。
これを妨げるものは、「自我」しか考えられません。
同類闘争圧力の増加→「自我」に基づく自集団の正当化。
そのための正当化観念が「祖霊信仰」だったのではないでしょうか?
精霊信仰と違い、「祖霊信仰」は「善・悪」や「好き・嫌い」といった感応観念の地平にあります。
「祖霊信仰」を強めれば強めるほど、万物の背後の霊が観えなくなる。
かといって、自然への超越観が完全に失われた訳ではありません。
そこで登場したのがシャーマンという特殊(といっても、従来はみなが持っていた)能力を備えた人だったのでしょう。
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