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マヤ・アステカの生贄は、なんで? パート2

前回の記事で、マヤの生贄はメキシコのトルテカ族によってもたらされたものらしいという事がわかってきましたが、そもそも一体なぜ生贄なのか?ここに迫ってみたいと思います。 🙄
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マヤ・アステカの生贄の特徴は、
1.血液を放出する事(王族の放血儀礼:王は性器、王妃は舌を傷つけて同時に血を流す)
2.心臓を抉り出す事(生贄:生きたまま心臓を抉り出し、神殿の階段の上から血の飛び出る心臓を転して落とす)

このように、血液を重視した彼らの精神世界が垣間見れる「神話」をたどってみる事にします。
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メキシコのアステカに伝わる創造神話では、現在の太陽(5番目の太陽)を創造するために神々が集まり選ばれた神が焚き火に飛び込んで太陽になって天に昇ったと述べられている。選ばれた2人の神の一方が焚き火に飛び込むのを一瞬ためらってしまったが、もう一人が飛び込んだので慌てて後を追って飛び込んだ。これで太陽と月ができた。しかし、太陽は動かなかったので残った神々は血を流して焚き火にくべて生まれたばかりの太陽に力を与え、そのおかげで太陽は動くようになった。という話になっています。(スペインの伝道士が口伝を記録したものによる) 
この5番目の太陽はやがて終末を迎えるとされているが、トルテカ族ではそれを避けるためには太陽を維持するために血が必要であるという意識が強かったようです。

この創造神話と同様のものがマヤ地方のキチュー族の「ポポル・ヴフ」という神話にも見られます。
ここでは太陽と月になったのは双子の兄弟神という事になっており、彼らは偽の太陽を名乗る者を(例の球技を何度も行って)打ち負かし、その上で地下界の神々が出す無理難題を克服するために地下界の神々が用意した焚き火に飛び込んで再生の力を得て復活し天に昇ったとされています。
(インカでも太陽を創造したビラコチャ神の神話がありますが、インカでは太陽の創造よりもインカの神が父である太陽と語りクスコに来たという自部族の出自の方が重要になっています。)
マヤでは文字の左側に年代が記されているように「時間」の概念が重要です。
神とは「ある時間の塊」として意識されていたようで、その「時間=神」に活力を与えて動かすためには太陽を動かして昼夜が来るように「血=生贄」が必要という意識だったと思われます。

生贄は、太陽(自然の摂理)に同化し応望しようとして行っていたのではなかったか?!

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