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学者「千田稔氏」の論文を論評してみる!(前半)

Posted By tano On 2007年10月3日 @ 11:14 PM In Ⅱ縄文時代 | 7 Comments

縄文時代の研究家に千田稔氏という著名な学者がいます。今回はその方の論文を取り上げて「今、なぜ縄文が取り上げられてきているのか」そして「どうする?日本!」に迫ってみたいと思います。
物質文明の現代に異を唱え、縄文時代にその答えを見出そうとする研究スタンスには我々が立ち上げて勉強している縄文―古代ブログに相通じるものがあり、共感を覚えます。著者の研究から私たちが追求しているテーマとの共通点と相違点を抽出してみました。
著者の論文「縄文文化と現代」 [1]の中から著者の論説の中心となる部分をピックアップしながら感想を入れていきます。
>自然破壊の深刻化するなか、我々はどういう時代に生きているのか、何をなすべきか、これを知ることは国民的な課題にもなっていると言ってよい。これには、前近代社会を「学問」的にとらえることが必要となろう。そのためには、具体的には、もはやマルクス経済学とか近代経済学ではなく、「新しい経済学」に依拠して、近現代と先史時代の比較検討を経済に限らず総体的に学問的に行うこと、これが重要になってくるのである。
・・・なるほど、書き出しがいいですね。
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>「前近代社会」を見る上で、我々はいくつかの偏見をもっている。例えば、「現在は高度に複雑化した文明社会であり、前近代社会は単純な非文明社会である」というものが最たるものであろう。だが、高度に複雑なのは、一貫して自然、その一部としての人間の組成(例えば、生物分子のモーターは「人工的熱機関を遥かにしのぐ100%効率」であり、脳神経系の仕組みは「現行の並列コンピュターが太刀打ちできない情報処理を行う」のであって、今日の企業組織、社会組織、教育組織などは高度に複雑化したものなどはないということである。こういうものは一瞬にして崩壊するものであり、移ろいやすい脆いものであり、自然、人間の高度に複雑な組成からみれば、無常で単純なものでしかないのである。現在の地球危機に直面して、我々は、人間が傲慢に都合よく思い込んでいるもの、仲間内だけで無前提におもい込んでいるもの、この欺瞞性を引き剥がし、真実をさらけだす必要にせまれているのである。
本当に高度に複雑なのは自然の体系とその中で進化してきた人間の脳神経であると著者は言っています。それに比べて工業社会が生み出した人工知能は単純であり脆いと言う。確かに脳は未だに解明されていないし、人間の組織論や性に関しては文明社会以降ほとんど新しい認識は出ていない。全くこの点は同意できます。
>人間は自然、宇宙から生まれはぐくまれてきたのであるから、そもそも「自然と人間の共生」などという発想からして、先進国人間エゴの残滓が濃厚ではないか。なぜ自然を破壊してきたのか、その理由の根源的考察と根源的反省なくして、人間の未来は絶望的なのである。この根源的考察・反省なくして、「未来可能性」などと称するのは笑止千万なのである。自然、宇宙は人間の母である。厳しい自然、宇宙を畏敬し、謝意を表明こそすれ、人間が自然と「共生」しようなどというのは、自然を破壊してきたことへの反省というより、「人間が生き残るため」に生み出した発想という側面が濃厚なのである。
この点を実現論では以下のように展開しています。別の表現ですが着眼点は同じです。

“いったい、人類はどこで道を誤ったのか? それを突きとめる為には、人類の始源(必要ならサル時代や哺乳類)にまで遡って、個体や集団や社会の存在(or 成立)構造を解明する必要がある。人類の原基構造を解明できれば、その構造のどこが不変部分でどこが可変部分かを知ることが出来る。(中略)だが、その認識=摂理がいかに現代の価値観からかけ離れていようとも、摂理=事実は変わらない。人間は、決して自然を超えることはできない。だから、自然の摂理をできる限り解き明かし、そこから学び取らなければならない。自然の摂理を無視し、踏みにじってきた張本人が現代の価値観であり、その結果が滅亡なのだから。”

長いので次稿に続きます。


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