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ミトコンドリアDNAからみた日本人の成立《紹介》

Posted By naoto On 2007年10月4日 @ 12:35 PM In 未分類 | 19 Comments

今回は、予告通りDNAからアイヌにせまってみたいと思います。
少し長くなりますが、宝来聰さんの論文を紹介します。
「ミトコンドリアDNAからみた日本人の成立」
宝来聰(国立遺伝学研究所)
<琉球大学医学部公開講座講演要旨、1997年3月> リンク [1]
《引用・抜粋》
【緒言】
現在の日本列島に住むわれわれ日本人は、いつ何処からやってきたのか。
われわれ日本人はどのようにして形成されたのであろうか。

日本人の起源をめぐる研究とその論争には長い歴史があり、いくつかの仮説が提唱されたが、現在では大きく3つの仮説に分類できる。
すなわち、混血説・転換説J置換説である。
本研究では、東アジアの5人類集団のミトコンドリアDNAの塩基配列の決定と分析により、これらの仮説を検証した。
【方法】
日本の三集団(本土日本人62人、アイヌ51人、沖縄の人々50人)と韓国人64人、中国人66人のサンプルを得、ミトコンドリアDNAのなかでもさらに超可変部位として知られているDループ領域の482塩基の配列を決定した。
東アジアからサンプリングした合計293人の塩基配列の分析が可能となったのである。
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【結果と考察】
全体では207種類の異なる配列のタイプが観察された。
このうち189種類のタイプはそれぞれの集団に固有のものである。
つまりタイプの大部分は一つの集団でのみ観察され、他の集団では見られないということである。
残りの18種類のタイプだけが集団間で共通して見られるもので、これらのタイプの各集団における総数を検討した。
本土日本人と韓国人には、8種類のタイプが共通して見られることは注目された。
これらのタイプを持った個体数は、十四人の本土日本人(集団の23%に当たる)と十七人の韓国人(集団の27%に当たる)である。
本土日本人はアイヌとも四種類のタイプを共通してもつが、その他の集団間の比較では共有するタイプは三種類以下である。
また十人のアイヌは四人の韓国人と共通のタイプを三種類持っているが、これらの三タイプのうちの一種類は八人のアイヌとたった一人の韓国人が共有しているので、必ずしもアイヌと韓国人が近縁な関係があることを示すのではない。
DNA-1.gif
【画像は「古代で遊ぼ」さんからお借りしました】
アイヌと沖縄の人々は、ともに縄文人の直系の子孫であると考えられているが、共有する塩基配列のタイプが一つも観察されないということは注目に値する。
二集団間で共通したタイプが存在するということは、それら二集団が遺伝的により近い関係があるか、二集団間での移住が比較的最近あったことを示すものであろう。
アイヌと沖縄の人々は、本土日本人に比べて、韓国人と共有するタイプの種類は少ない。
本土日本人と韓国人で共通するタイプが数多く見い出だされることは、朝鮮半島から日本列島に人々の移住があったと考えるのが自然であろう。

ミトコンドリアDNAの多型解析の利点は、個々の配列に基づいた分析のほかに集団としてまとめた分析もできるところにある。
一つの集団から多数のヒトの塩基配列が調べられたとき、平均的な塩基配列の違いを知る指標として「塩基多様度」という値を計算することができる。
調べた個体間で総当たりの塩基置換数をカウントし、その平均値が「塩基多様度」となる。
まずそれぞれの集団内での塩基多様度をみてみた。
東アジアの五集団での塩基多様度は、中国人1.65%、韓国人1.22%、本土日本人1.32%、沖縄の人々1.01%、アイヌ1.26%であった。
これら五集団では中国人の値が最も高く、中国人は遺伝的には多様な人々の集まりということになり、値の最も低い沖縄の人々は比較的近縁な人々の集まりということになる。
さて集団間での近縁度をみる尺度として塩基多様度のネット値(DA)というものを利用することができる。
東アジアの五集団は、それぞれの集団間のDAが非常に小さいことがわかった。
特に韓国人と本土日本人の二集団間のDAはゼロであった。
やはりこの分析でも韓国人と本土日本人は遺伝的に究めて近縁な関係にあることが明らかとなったのである。
本研究の結果は、日本人の起源に関する仮説のうち、混血説を支持するものである。《引用ここまで》
沖縄の人々やアイヌこそ、渡来系との混血が少なく、近縁性を保ち続けたようです。
やはり、彼らこそ縄文人の系列といえるかもしれませんね。


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