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神話の謎に迫る

>日本の神話はかなり政治色が強く、古事記や日本書紀が天皇制を神格化する為にでっちあげたという説が最近は有力です。<と、以前tanoさんがコメントされていますが、詳しく調べてみたいと思います。
神話は、何のために、どのように書き換えられたのか?が分かれば事実もおぼろげながら見えてくるのでは?、また守護神信仰の変遷(自然神→人格神→神官→神と王の一体化)と重ね合わせながら、その片鱗が見えてくればと思います。
●まずは、古事記って?
稗田阿礼が暗誦していた『帝紀』(天皇の系譜)・『旧辞』(古い伝承)を、和銅五年(712年)太朝臣安萬侶(太安万侶。)によって編纂され献上された日本最古の歴史書。
●では、日本書紀って?
奈良時代に成立し日本における伝存最古の正史で、六国史の第一にあたる。舎人親王らの撰で、720年(養老4年)に完成した。
以上は一般に言われていることですが、さて中身は?
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●古事記の中では、どう書かれている?
以下は『古事記の世界』 [3]より紹介します。
第40代天武天皇が『古事記』編纂を思いつき、第43代元明天皇の時代にやっと完成したとされています。712年(和銅5年)正月28日のコトです。
以下に、序文の天武天皇の言葉を紹介すると……
「私が聞くところによると、諸家のもたらした帝紀と旧辞とは、
既に真実と違い、偽りを多く加えているという。
今この時において、その誤りを改めないならば、
幾年も経たないうちにその本旨は滅びてしまうであろう。
この帝紀と旧辞とは即ち国家組織の根本となるものであり、
天皇の政治の基礎となるものである。
それゆえ、帝紀・旧辞をよく調べて正し、偽りを削り、
真実を定めて撰録し、後世に伝えようと思う。」


帝紀とは皇統譜(天皇家の系譜)のことで、旧辞とは古い物語や出来事のことです。天武天皇の言葉の大意は「それぞれの氏族が“うちの先祖は○○の王子である”などという自分達に都合のよい出自や系譜を捏造しているから、ここらできっちりさせねば!」というコトなのでしょう。帝紀と旧辞で成り立っている『古事記』は本来歴史書として編まれた書物だったのです。

 ……と、ここまでは書物上のことゆえ、それ以上のことは記されていないのですが、その歴史的背景には、当時天武天皇が推し進めていた,中国化・中央集権化計画がありました。国号を「倭」から「日本」に改めたこと,「大王」号を「天皇」号に改めたことと同様、天皇家を中心とした国家樹立の一貫として、『古事記』は編まれたのです。しかし、『日本書紀』が正史となったのに対して、『古事記』はマル秘文書扱いとなり、公の場へは姿を現しませんでした……。
帝紀や旧辞は間違いである。天皇政治を強固なものとするために真実を伝える必要がある、、、その為に国家によって作られた古事記自体が“でたらめ”とは、一体どうなっているんでしょうね?
つづく。

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