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縄文:黒曜石が贈与品になったのはなぜか?

さーねです
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先日、tanoさんよりご指導受けまして… 😥 改めて、縄文時代の贈与・交易に関して、一つずつ積上げていけたらと思います 😀
今日は、その品となった「黒曜石」
ただ、どうも縄文時代は交易?とか言われてますが…贈与と交易はだいぶ違いますので…以下の大事な認識を るいネット [3]で確認。
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないか② [4]
「贈与」と「掠奪・収奪」と「交易(交換取引)」 [5]
ここでは、贈与品として考えたいと思います。
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黒曜石って何?実は、縄文の人々にとっては最も必要で貴重な加工具であったのです


黒曜石は実際どのように使われたの?
「黒潮圏の考古学」 [6]「黒曜石研究の動向」 [7]に詳しく書かれています。
>黒曜石は考古学分野においては、均質で貝殻状断口を示す石材であることから、「石器」などの加工には恰好の石材である。したがって、細かい整形を必要とする両面加工石器(特に石鏃)、または鋭い刃部が要求される裁断石器(ナイフ形石器、スクレイパー)などにその威力が発揮された。このことから、黒曜石は石器時代(旧石器、新石器)を通じて、石器製作の材料として重要な役割を果たした石材である。
黒曜石は石器を作り出すための「石器」であった!
では、石器がどれだけあるかというと…国立歴史民俗博物館 [8]石器分類表 [9]より
>狩猟具・武器,漁撈具,土掘具,除草具,収穫具,調理具,伐採・加工具,加工具,紡績具,祭祀具
こんなにあるんですよね!生きていく上で必要不可欠だった石器を加工するために、黒曜石が重宝されたのだと思います。
じゃぁ、黒曜石はどこで採れるかというと…
>北海道地方:10ヶ所…東北地方:19ヶ所…関東地方:1ヶ所…中部地方15ヵ所…近畿地方:なし…瀬戸内地方:なし…中国地方:4ヶ所…四国地方:なし…九州地方:25ヶ所…奄美・沖縄地方:なし…(「黒曜石研究の動向 [7]」より抜粋してまとめ)
概ね全国で70ヵ所 限られた産地でしか採れません
では、縄文中期はどんな時代状況であったのか?僕の記事投稿「縄文時代の贈与・交易は寒冷化を生き延びるため?」 [10]のtanoさんのコメントより。
自然外圧の低下⇒集団の拡大⇒集団の近接・接触⇒同類圧力の高まり⇒緊張緩和の必要性から贈与・交換システムの確立
前述の通り、黒曜石は最も生活に必要で貴重な加工具であるから、このような状況の中で贈与品となったのだと思います。
次回は、ヒスイ・サムカイト・琥珀当たりを調べてみよー 😛

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