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まずは神々の役割に序列を与えた

古代メソポタミアにおいては、近隣の国々を次から次へとその支配下に置き、被支配部族を統治 するのに信仰心を上手く利用したことが当時の神々の神話 からうかがえます。
今日はかつての神々の役割を見ながら、神々の役割づくりと、人々をどうやって序列統合していったのか、その辺の関係を見てみたいと思います。
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【神々の位置づけ】
多くの神々は自然を統治する神として位置づけられていました。
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【都市国家の乱立~武力支配国家の成立前】
まずは都市国家が乱立していた頃のシュメールの神々を見てみましょう。
  ・を自由に操る神エンリル、
  ・を自由に操る神エンキ、
  ・の運行を司る神ナンナ、
  ・を司る太陽の神ウトゥ、
  ・金星の神であり、美と出産、収穫、愛、そして戦いの女神でもあるイナンナ、
  ・植物と死後の世界を司る神ドゥムジ、など。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/nanpu/history/babylon/babylon_rel.html#sumer_an [3]
これらの神々の役割は、各々の都市国家の守護神でした。推測ですが、住んでいる地方の気候などにより、例えば強い風が吹き荒れる地域では風の神が、他降雨地域であれば水の神が守護神だったりしたのではないでしょうか。
つまりは自分達の生活に密着した自然現象を司る神が守っていてくれるので、自分達は安泰なんだ、強いのだ、と。
【武力支配国家以降 その①】=アッカド王朝の時代
これに対しアッカド時代になると、有名なナラム・シンの戦勝記念碑に見られるように、支配者である王は、神の被り物を自らの頭にかぶり、王=神であるとしています。 8)
しかも一体であると見なした神とは月の神ナンナであり、ナンナはその深く鋭い光で、すべての生物の運命を見通すとされています。 😈
つまり、ナンナこそ全ての民の運命を握っている神であり、自分はその神と同じ=我こそが民の運命を握っている支配者としたわけですね。
民を支配=服従させるのに利用する神をも上手く選択しているわけです。
【武力支配国家以降 その②】=アッシリア帝国の時代
故バビロンの市神であったマルドゥークはもともと天地創造の神でした。
しかし故バビロニアの覇権とともに各地の神がここに有していた役割を殆ど一人で負うことになり、神々の中でも統合者的な存在に姿を変えていったようです。
%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%AF.jpgマルドゥクと竜(ムシュフシュ)
<写真は「ウキペディア」より転載させていただきました>
もともとマルドゥークの創世神話の「エヌマ・エリシュ」によると、当初は天界の至上権を手に入れた後は自らが人間の上に君臨するのではなく、それを守護する神々を作って彼らの自由にまかせた、とあります。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/nanpu/history/babylon/babylon_rel.html#enuma-erish [4]
それがやがては神々の役割を奪い(?)自らがその役割を負う様は、まるで全ての権力を掌中に納め独裁化してゆく支配者の姿そのものではないでしょうか。( 😀 → :evil:→ 😈 )
序列共認と権力(=冨)の集中。それを正当化するために、民が信仰している神の役割自体をそのように変えてゆくことで、その神と同じである自分に対する絶対服従の基礎を築いていったのでしょう。

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