東京大学コレクションII 哺乳類-人類- [1] よりお借りした写真です↑
前歯のところを見てください。
この前歯のぎざぎざは、叉状研歯(しゃじょうけんし)っていうのです。
わざわざ健康な歯を削ってこのようにしているんです すっごいきれいな模様といえなくもないのですが、これって隠れたお洒落
だったのでしょうか??
続きを読む前にクリックお願いします
[2]
[3]
叉状研歯のある縄文時代頭蓋骨(東京大学コレクションII) [1]より、叉状研歯情報を要約・引用すると、
叉状研歯のある縄文時代頭蓋骨は全国で合計28例。
叉状研歯は縄文晩期に限られ、抜歯風習の最隆盛期にはじめて出現。
東海地方西部から近畿地方に分布したと考えられている。
性別による片寄りはなく、ほぼ1対1の男女比。
年齢分布は広く、若年から熟年に渡る。形成途上のものもけっこう見つかっている。
叉状研歯の遺跡内の出現頻度は決して高くない。発掘人骨全数の割合では数パーセント。
叉状研歯が始まる以前に、抜歯の風習が一般化されています。これも大変だったでしょうが、一般的に行われているようで、成人になるための儀式と考えられていますが(参考:リンク [4])、叉状研歯は一部の人のみ。
みんながみんな、やるわけではないようです。それに形成途上のものも見つかっている・・・こんなふうに歯をぎざぎざにするのってかなり大変だったにちがいありません。
魔術師のような特殊人物、
あるいは、
特別の血統に属し、種々の儀礼における集団の指導者
が、叉状研歯を行っていたのだと考えられています。